2013 Fiscal Year Annual Research Report
負誘電率領域のフォノン-プラズモン共鳴を用いたテラヘルツ波発生・検出の研究
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23560053
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
四方 潤一 日本大学, 工学部, 准教授 (50302237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南出 泰亜 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, その他 (10322687)
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Keywords | テラヘルツ波 / 表面フォノン / 表面プラズモン / 表面波発生・検出 / コヒーレンス |
Research Abstract |
前年度にテラヘルツ波放射動作を見出した2つのA1対称表面フォノンモード(250, 630cm-1)に対し、本年度は外部結合用の表面微細構造(周期19, 7.8um)を付したデバイス構造についてFDTD(時間領域差分)法による電磁場解析を進めた。その結果、表面波モードが現れる250~491cm-1(7.5~14.7THz)、630~758cm-1(18.9~22.7THz)の双方の周波数領域(負誘電率領域)内におけるテラヘルツ波放射を見出すとともに、下限周波数付近(7.9, 19THz)では放射が抑制されることを見出した。さらにテラヘルツ波発生に寄与する表面プラズモン伝搬現象についてもFDTD解析を進め、最適な凹凸深さが周期の約1/10となることを見出した。また、反応性イオンエッチングを用いたニオブ酸リチウム基板の表面微細加工については、基板帯電に伴う加工時間の制約の中、深さ約80nmまで高精度な凹凸構造作製に成功した。一方、テラヘルツ波検出の広帯域化のため、有機非線形結晶DASTを用いて3THz以上の周波数領域において高感度検出を実現した。光パラメトリック発振器により発生した励起光2波長をDAST結晶に照射しテラヘルツ波を発生させ、また別途構築した光パラメトリック発振器から1波長を励起光として発生させ、前記テラヘルツ波と同時にテラヘルツ波検出用DAST結晶に照射した。テラヘルツ波検出では、励起光とテラヘルツ波から新たに信号光(近赤外光)が発生し、これを高感度近赤外光検出器で検出した。結果として、27THzにおいてテラヘルツ波パルスエネルギー3fJの微弱テラヘルツ波検出に成功し、雑音等価パワーとして約20pW/Hz1/2の高感度検出を達成した。以上より、表面フォノンを介したテラヘルツ波と光波の相互周波数変換に関する光学現象・基盤技術に関する知見と応用への見通しを得た。
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