2011 Fiscal Year Research-status Report
結晶系太陽電池ウェハ加工用ダイヤモンドワイヤ工具の高速作製法の開発とその加工特性
Project/Area Number |
23560138
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
諏訪部 仁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40202139)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | スライシング加工 / 切断加工 / ダイヤモンドワイヤ工具 |
Research Abstract |
本科学研究費の申請段階では,平成23年度にはダイヤモンドワイヤ工具の高速作製化とダイヤモンドワイヤ工具の特性が加工に及ぼす影響を研修する予定になっていた.ダイヤモンドワイヤ工具の高速作製を計るために,従来研究室で使用してきたメッキ装置を改造してドラム部分(砥粒の電着部)を2 連ドラム化したメッキ装置の設計・製作を目指していた.平成23年度に新しいメッキ装置の製作は終了し,太陽電池用ウェハーのスライシングで用いられているφ0.12mm の芯線にφ15μm のダイヤモンド砥粒を3m/minの速度まで速度向上して電着することが可能になった.また,もう一つのテーマであるダイヤモンドワイヤ工具の特性と加工特性の関係に関しては,試作したメッキ装置の評価に手間取り,試作したワイヤ工具の基本的な加工特性を評価し,砥粒径の異なるダイヤモンド砥粒を同時に電着したワイヤ工具の加工特性を評価できた. 平成24年度以降に検討する予定であったテーマの内,切断で用いる加工液,接着剤の特性がダイヤモンドワイヤ工具加工特性に及ぼす影響について加工液メーカーや接着剤メーカーの協力体制が得られたため,平成23年度から検討を始めた.そして,平成23年度の研究では,アクリル系の接着剤が比較的切断しやすいことが明らかとなった.また,加工液に関しては市販のダイヤモンドワイヤ工具を用いて実験を行い,加工液のpH値が高い加工液の方が優れた加工特性を示すことが明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要の所でも述べたが,平成23年度にはダイヤモンドワイヤ工具高速作製とダイヤモンドワイヤ工具の特性が加工に及ぼす影響を検討することになっていたが,ワイヤモンドワイヤ工具の高速作製法の確立はできたと判断しているが,ワイヤ工具の特性と加工の関係は1条件のみ終了するに止まった.しかしながら,平成24年度に行う予定の加工液,接着剤の特性についてはかなりの結果が得られており,この部分では予定以上に進んでいると判断される.従って,当初の予定よりも遅れているテーマと進んでいるテーマがあるが,研究計画作成当時に予想した回数までの実験がきなかったため,若干遅れていると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法として,平成23年度に予定通り進めることができなかったダイヤモンドワイヤ工具の特性が加工に及ぼす影響を今年度も進めると共に,ダイヤモンドワイヤ工具の芯線を細線化した場合のメッキ特性の評価,接着剤中にフィラーを入れた場合の加工特性の評価,基台の評価,加工溝内部の加工液挙動の評価を行う予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度はワイヤ工具を高速作製するための装置の設計・改造に手間取り,当初予定した実験回数まで加工実験ができなかった.そのため,今年度の予算があまり,次年度に繰り越した. 平成24年度は本申請課題を担当する4年生の数を増やし,計画通りに研究が進むように実験を進める準備をしている.そのため,切断実験のための消耗品,ワイヤ工具作製のための電着用消耗品を中心に研究経費を使う予定をしている.
|
Research Products
(3 results)