2012 Fiscal Year Research-status Report
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23560156
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
志摩 政幸 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (70092583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地引 達弘 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (40322094)
菅原 隆志 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助手 (90456319)
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Keywords | 耐食性と耐摩耗性 / 海水中 |
Research Abstract |
炭素鋼を海水中で使用可能な摩擦材とするため、我々のところで開発した摩擦改質技術を用いて、表面を強化するとともに犠牲陽極となる亜鉛を被覆することを試みた。その結果、改質条件を適切に選べば目的とする表面改質が可能となることを示した。作製された試験片を人工海水に浸漬して耐食性を調べたところ、改質材は、未改質材に比べて赤さびなどを生じることはなく、耐食性の改善が認められた。また、往復動摩擦試験により改質材の耐摩耗性を調べた結果、改質材は、ステンレス鋼(SUS440C)よりも優れた耐摩耗性を示すことが明らかとなった。これらの成果を、特許出願するとともに、専門の学会誌に論文投稿し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海洋環境中で使用可能な強度の高い摩擦材の開発をめざし、3つの観点から研究を実施し、初年度はDLC膜の寿命の向上を中心に研究し、本年度(24年度)は工業上よく用いられる炭素鋼を、海水中で使用できるようにするための基礎研究を行い、所定の成果を得た。 最終年度(25年度)は、耐食性のあるステンレス鋼を海水中で使用できる耐摩耗性に優れたものとするための表面改質に取り組むとともに、前2年度の成果をより進化させる予定であるが、その準備はできている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、前2年度の成果を踏まえ次を予定している。 1)ステンレス鋼の耐摩耗性向上に関する表面改質技術の進化発展。 2)耐食性を持つ基材に被覆されたDLC膜の寿命の改善方法の検討。 3)アルミ合金やチタン合金など軽金属表面の摩擦改質による耐摩耗性改善の試み。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、次を予定している。 1)改質装置の修繕(約500千円) 2)試験片など消耗品購入(約300千円) 3)学会発表・旅費(約400千円) 4)分析の外注費(約200千円)
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