2012 Fiscal Year Research-status Report
渦ゆらぎの制御を用いた快適な空調環境と食品の自然乾燥に関する研究
Project/Area Number |
23560186
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
李鹿 輝 山形大学, 理工学研究科, 教授 (00253906)
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Keywords | 渦 / ゆらぎ / 快適環境 / 食品乾燥 |
Research Abstract |
一般にはエアコンと扇風機の快適な使い方として、直接風を受けなく、風は壁などにあて間接風を受ける。風は壁になどにあてることによって、種々スケールの3次元渦流れ(渦のゆらぎ)が生成される。その渦ゆらぎは人間にあてることによって、快適性を付与すると考えられる。 本研究は、心地良い自然風の周波数―空間―時間のゆらぎ特性を用いて、自然の風に近い快適な渦ゆらぎを作ることを目的とする。ご周知のように、流れの中に置かれる鈍頭物体から生じる大規模乱流組織渦(放出渦)は時間・空間的な変化(ゆらぎ)を伴っている。本研究では、風洞の流れ中に置かれたさまざまな形の鈍頭物体の渦放出過程のゆらぎ現象に着目し、熱線流速計、可視化技術及び粒子画像速度計測法(PIV)等を用いて流れ場を時系列的に計測する。FFTにより、周波数―空間―時間においてゆらぎ特性を定量的に明らかにした。これらのゆらぎ特性に及ぼすレイノルズ数、主流乱れ、物体形状・数等の影響について検討した。 一方、食品分野では、水産物の干し物に代表されるように、天日乾燥・陰干し・寒干しなど自然の風や太陽光を利用して乾燥させているものが多くあるが、現在では安定生産や衛生面から機械乾燥に置換えるケースが多くなっている。機械乾燥技術の発達により一定品質のものが安定して生産できるようになってきた一方で、乾燥製品において原料の風味を残したい、柔らかく乾燥したいというような他製品との差別化や付加価値向上の要望は尽きておらず、自然界を模擬した乾燥方法や乾燥技術のさらなる向上が望まれている。本研究では、自然風に近い渦の流れを食品乾燥に応用した。方法として、小型低速風洞の中に渦の流れを発生させ食品乾燥試験を行い、得られる試料の性質について検討・評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)風洞の流れ中に置かれたさまざまな形の鈍頭物体の渦放出過程のゆらぎ現象に着目し、熱線流速計、可視化技術及び粒子画像速度計測法(PIV)等を用いて流れ場を時系列的に計測する。FFTにより、周波数―空間―時間においてゆらぎ特性を定量的に明らかにした。これらのゆらぎ特性に及ぼすレイノルズ数、主流乱れ、物体形状・数等の影響について検討した。 (2)小型低速風洞の流れ中に置かれたさまざまな形の鈍頭物体が発生した渦の流れを食品乾燥に応用した。自然風に近い渦の流れを用いて食品乾燥試験を行い、得られる試料の性質について検討・評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度では、渦ゆらぎ発生装置の実用化を目的とする。 (1)室内空調の応用:渦ゆらぎ発生装置を用いた扇風機の風と人間の快適性との関係を調べる。 (2)自動車の空調の応用:実際な乗用車の空調に渦ゆらぎ発生装置を装備し、可視化技術・熱線流速計を用いて車内各席の位置付近の速度分布を計測することによって、人間の快適性との関係を調べる。 (3)食品の乾燥機の応用:果物を乾燥試料として、各種も渦ゆらぎによる乾燥させ、食品乾燥の質を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験設備として空調機と食品の乾燥機を購入する。その他の研究費は、研究発表旅費、実験部品の製作費や実験の材料費などを計画している。 「該当なし」
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