2013 Fiscal Year Annual Research Report
混合抑制に旋回流れを利用した革新的フィルム冷却技術に関する基礎研究
Project/Area Number |
23560229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武石 賢一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 招へい教授 (70379113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮山 正治 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40178372)
小田 豊 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50403150)
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Keywords | 熱伝達 / 物質伝達 / フイルム冷却 / 旋回流 / 感圧塗料 / レーザー誘起蛍光法 / PIV / ガスタービン |
Research Abstract |
円孔およびシェイプトフィルム冷却孔からなる典型的な2種のフィルム冷却孔形状を供試模型として用い、フィルム孔から主流中に吹き出した混合場におけるフィルム冷却効率と、混合現象を感圧塗料(PSP)、アセトンレーザ誘起法(LIF)、そしてオリーブオイルミストをトレーサとした粒子画像流速法(PIV)により測定し、詳細な測定データを取得した。またフィルム冷却効率向上を目指して、旋回を有する円孔およびシェイプトフィルム孔の実験を実施した。さらにLESを始めとする非定常解析を実施することによって、円孔吹き出しのフィルム冷却に旋回をかけた場合、フィルム冷却孔から下流で旋回が無い場合に比べてフィルム冷却効率が向上するメカニズムを実験、解析の両面から解明することができた。 コンバインドサイクルの主機として、ガスタービンのタービン入り口温度は現在1600℃まで上昇していて、1700℃から2000℃級が研究されている。その中で、タービン動静翼の冷却手法としてフィルム冷却技術が益々重要な冷却手法になっている。本研究では従来のフィルム冷却孔に旋回を与えることによって、フィルム冷却孔下流で約2倍の効率向上を達成させることを明らかにした。また本研究を通して開発された、PSPによるフイルム冷却効率の測定、アセトンをトレーサとして用いるLIF法によるフィルム冷却空気と主流の混合場の定量的測定、そしてその混合場の速度場をオリーブオイルミストを用いたPIV法を組み合わせて適用することによって、フィルム冷却空気と主流の非常に複雑な乱流混合場を定量的に測定し現象の把握と数値解析の精度検証に使用できる実験手法が構築できた。この実験手法は広く混合場の定量的把握に活用可能と考える。一方LESを始めとする解析によって円孔のフィルム冷却の混合場と、旋回を有するフィルム冷却のフィルム冷却効率向上のメカニズムが明らかになった。
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