2012 Fiscal Year Research-status Report
熱アシストUVインプリントプロセスにおける熱流体挙動のデジタルホログラム計測
Project/Area Number |
23560243
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐竹 信一 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (90286667)
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Keywords | 流体計測 / ホログラム / インプリント / 光硬化樹脂 |
Research Abstract |
熱アシストインプリント下の温度-速度同時計測するために, 圧着過程における樹脂挙動に適用デジタルホログラムを適用し4次元速度分布を得ること目的としている。圧着壁面を加熱によるアシストにより樹脂のパターンへの流入の促進法を開発することも目的としている。前年度の結果よりインプリントにおける樹脂挙動を支配するのはUV硬化時ではなく圧着プロセス時であることが判明しているため圧着挙動での計測に重点をおいた。本年度は、ホログラムを用いることにより圧着時の壁面の移動による樹脂の動的な挙動をとらえることに成功した。また、従来の顕微鏡系計測では得られない光軸線方向の粒子の移動を捉えられるだけでなく、圧着壁が移動中でも樹脂の流動挙動を撮影した。また、粒子の濃度を上げることにより内部流動を計測した。撮影された粒子像は計算機内で3次元に再生されて内部の速度分布を形成した。その分布は2次元の放物型をしており圧着とともにその分布が縮小されていく様子が計測された。 さらに壁面をインプリントに用いられる離型剤を塗布したものやオゾン処理を施したものを使い、未処理の壁面の速度分布と比較を行った。その結果壁面近傍の速度分布が増大し見かけ上スリップ壁のような振る舞いをした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インプリント装置内の圧着過程のホログラム計測から内部3次元速度分布の時系列をとらえることができた。その過程においての壁面近傍までの詳細な速度分布を得た。また壁面の表面処理の挙動について計測できた。さらにインプリントプロセスで通常用いられている離型剤での挙動が得られたことは、マイクロプロセス分野での基礎データになりうる。
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Strategy for Future Research Activity |
圧着内部に面にヒータを導入して温度分布をつけることによって加熱下での樹脂の挙動をとらえる。圧着面内部の熱電対と圧力センサー、カメラ撮影を連動させて流動挙動と温度の伝わり方を時系列的にとらえる。 また温度の変化と平面処理の影響を調べる。この際、平成24年度に得られた一定温度下での速度分布の比較を行う。パターン面を上面にして、上面を加熱、下面加熱、上下面加熱の3種類の加熱条件の変更を行う。それぞれについて圧着内部の速度分布を計測してインプリント時に最適な熱的な境界条件を探る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒータ内部に熱電対を装着する。これと圧着テーブルとカメラトリガーを連動させ時系列処理を行う。このためヒータ内部に微細な熱電対が必要である。また、平成24年度の計測から壁面近くで樹脂のスリップに似た挙動が観察されたためこの挙動を明確にするため圧着して流動させるのではなく、圧力勾配駆動させた内部流の計測も行う。このために粒子径をいくつか分けて実験を行わなければならないため異なる粒子径の粒子の購入を計画している。加熱して実験を行うために対物レンズのヒータによる損傷も考えられるために対物レンズの購入を計画している。また、温度変化に伴い実験のバリエーションが増えるため、大量のホログラム画像及び再生座標のバイナリーデータを保存しておくためのハードディスクの購入を計画している。
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