2013 Fiscal Year Annual Research Report
飛躍的な省エネルギー化を実現する劣駆動フレキシブルマニピュレータの制御法の確立
Project/Area Number |
23560274
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
阿部 晶 旭川工業高等専門学校, システム制御情報工学科, 教授 (30313729)
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Keywords | 劣駆動マニピュレータ / 軌道計画法 / 省エネルギー / 運動生成 |
Research Abstract |
はじめに,1つの駆動関節と非駆動関節を有する2リンク劣駆動マニピュレータの実験装置を開発した.ここで,非駆動関節の第1リンクは柔軟リンク,駆動関節の第2リンクは剛体リンクとし,非駆動関節には電磁ブレーキユニットを配置した.剛体リンクが駆動するときに非駆動関節をこのブレーキで固定させて柔軟リンクに振動を生じさせる.そして,ブレーキを解放することで,この弾性エネルギーを利用して非駆動関節に運動を発生させる仕組みとなっている. 次いで,非駆動関節を固定させたとき,剛体リンクが省エネルギー,かつ,柔軟リンクに大きな振動を生じさせる駆動関節の軌道計画を試みた.これまでの軌道計画法においては,関節角軌道をニューラルネットワークで表現し,その係数をメタヒューリスティクスの最適化パラメータと設定した.しかしながら,ニューラルネットワークから生成される軌道は無限微分可能な滑らかな曲線となるものの,最適化するパラメータ数が多く,計算コストが高くなってしまう短所がある.そこで,計算コストを減少させることを目的とし,べき級数とサイクロイド関数の結合から軌道を表現することを提案した.この提案手法によると,ニューラルネットワークと同等な性能をもちながら,計算コストが大幅に削減できた.そして,柔軟リンクにサイクロイド曲線軌道と同等な振動を生じさせ,省エネルギーな軌道が生成できることを確認した. シミュレーションの妥当性を検証するために,開発した装置を用いたモデル実験を実施した.ここで,非駆動関節のブレーキを解放させ非駆動関節に運動を生じさせること試みた.実験結果から,最適化軌道で剛体リンクを駆動させて非駆動関節に運動を発生させると,サイクロイド曲線軌道のものよりも省エネルギー化が図られることを実証した.これより,劣駆動マニピュレータの省エネルギー駆動に対する一手法を確立することができた.
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