2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560334
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
真田 雅之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90264803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 茂雄 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00210188)
井上 征則 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580148)
|
Keywords | 波力発電 / 発電機構造 / ダイレクトリンク / 波の出現頻度 / 設置海域 / トルク指令 / 効率 / 発電出力 |
Research Abstract |
低速用回転発電機を用いたダイレクトリンク式波力発電システムにおける波エネルギーの異なる設置海域を想定した場合の波の出現頻度を考慮した発電機の設計について検討し、特性およびトルク指令パターンについて検討した。 検討を行う海域として前年度までに用いた潮岬沖(4.9kW/m)に加えて、波浮沖(11.5kW/m)についても12極のモデルを設計し、有限要素法を用いて解析を行い各種特性の算出を行った。その結果、システムの設置海域を波浮沖として増速比8のダイレクトリンク機構を用いる場合、潮岬沖用の発電機をそのまま用いるとエネルギー量の大きい波の条件で発電機の定格による制限が生じて発電出力が減少してしまうことが分かった。波浮沖の特性に合わせて設計した発電機ではこうした出力飽和が生じないためより大きな発電出力が取り出せており、本システムでは設置海域の違いによらず平均エネルギー変換効率が約30%程度になることも明らかとなった。この変換効率は従来の一般的な構成である振動水柱方式のシステムであるマイティホエールにおける1平方メートルあたり数十Wの実績出力値と比較して10倍以上となっている。 システムの等価慣性モーメントが発電出力に及ぼす影響についても検討し、付加慣性モーメントを取り付ける方が発電出力が高くなる条件があることも明らかとなった。 トルク指令パターンについては前年度までの検討で、2段階にトルク指令を切り替える方式が発電出力が高くなることを明らかにしているが、発電機の回転速度を用いたより高出力となるパターンについての検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度からの遅れがじゅうぶんに回復できなかったことと、耐震工事の完了した建屋への研究室の移転が年度末にかけて発生したため、一次試作機の製作は完了したが試験ベッドが使用できなくなる期間が生じたため、特性測定と評価・問題点の抽出には至らなかった。 設置海域の違いによる低速用回転発電機に関する設計方法の明確化や電流ベクトル制御のためのトルク指令パターンの検討については初期の予定通り進捗した。 したがって、総合的に「やや遅れている」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
早急に一次試作機の特性測定を行い、評価および問題点の抽出を行って、初期の研究スケジュールに近づけるよう研究を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
低速用回転発電機の一次試作機の評価を行い、二次試作機の設計への反映および試作評価等を行う予定である。
|