2012 Fiscal Year Research-status Report
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23560347
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
上田 茂太 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40390380)
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Keywords | 電気二重層コンデンサ |
Research Abstract |
前年度に製作した装置に個別コンデンサの電圧計測回路、コンデンサの初期強制放電回路、充放電モード切替用のリレー回路およびシーケンス回路を新たに製作追加した。これまでは個別コンデンサの電圧はメモリハイコーダによる計測のみで確認していたが専用のディジタルメータを8個接続して常時目視観測可能にした。また充電開始の際に個別のコンデンサの残留電荷を放電させるために従来は個別に手動で抵抗に電荷を放電させていたのを止め一括で放電できる回路を製作した。さらに充放電モードを信号レベルで切替を可能にするためのリレーとシーケンス回路を製作した。以上の回路を追加して実験の効率化を図ったうえで次の実験を行った。負荷直流モータの定格は、出力2.2kW、直流100V、29A、回転数1500rpmである。このモータに直流発電機が軸直結されており、発電機出力には電球負荷(60W×複数個)が接続される。1)並列充電モードにおいて直流電源を用いて17A定電流充電を行い、約1200秒で8個の電気二重層コンデンサの充電電圧が10.8Vに均等に充電でき、電圧のばらつきも0.5%以内であることを確認した。2)充電終了後コンデンサを直列に接続切替を行い電圧は86Vとなった。3)コンデンサに直流モータを接続し始動抵抗器を利用して始動した。このとき回転数は定格1500rpmで電球負荷は開放し無負荷とした。4)始動後、電球負荷19個、1140W、を400秒かけて順次投入した。最大電流は10Aに達し、その後、モータは120秒間にわたり回転を継続して停止した。放電期間中もコンデンサ電圧のばらつきは1%以下と良好であった。また、充電時の電源供給エネルギーは174000ジュール、発電機端での放出エネルギーは125000ジュールであった。以上をまとめると充電モードは1200秒、接続切替は瞬時、負荷駆動モードは520秒となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的であるモータ負荷での基本動作の確認に関する成果は、以下の理由から十分に得られたと考える。1)実規模のモータについて実際に1140W、10Aという実負荷をとって定格回転数である1500rpmまで駆動できた。2)放電時の8個の電気二重層コンデンサの充電電圧のばらつきも1%以内という値は非常に小さな値である。3)充放電の効率はエネルギー比から71%となり、この値はモータや発電機両者の効率(90~95%程度)を含んでいるので、コンデンサのみの効率としては78~88%という高い値が得られたことになる。4)前年度は配線切替によりモードを変更していたがシーケンス回路の導入により、信号の切替のみで動作モードの変更ができるようになった。5)各動作モードでの所要時間を把握できた。なお、今年度は負荷を無負荷から増やしていく方向の試験であったが、負荷を減らしていく動作モード(回生モード)での詳細な検証が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた成果を基にして、以下のような確認を行う。1)切り替え回路の損失を測定する。2)直流モータの負荷を定格負荷まで変化させ、同様の測定を行う。運転継続可能な時間がどのように変化するかを評価する。3)シーケンス回路に時間を設定する。4)一連の動作が、シーケンス通りに行われているかを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた成果をまとめて電気学会に発表する。学会に参加し発表や関連研究の情報を収集する。このための参加費用を予定している。また、実験データの記録等に必要な消耗品を購入する。
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