2012 Fiscal Year Research-status Report
結晶粒径制御によるナノ結晶シリサイドの作製とナノコンタクト界面の形成に関する検討
Project/Area Number |
23560353
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
野矢 厚 北見工業大学, 工学部, 教授 (60133807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 眞弓 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80236512)
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Keywords | Niシリサイド |
Research Abstract |
ニッケルシリサイドのうちNiSi相が安定に形成される十分低温の温度領域である400℃において、Ni/Si界面に濃度勾配を作り付けることにより、形成温度が750℃以上である高温相であるNiSi2が形成されることを前年に見出した。この形成過程について実験的に詳細に調べ、シリサイドの相形成にあたって、その前駆段階となる金属とSiの合金相の組成が重要となり、熱平衡相図において、形成された合金組成の最近傍に凝縮可能な相が形成されることがそのメカニズムとして妥当な解釈であろうことがわかってきた。このように、非平衡過程での相凝縮には平衡系では存在しない動力学的に強制的な凝縮過程が存在することが明らかとなってきた。得られた成果は電子情報通信学会ソサイエティ大会および電子部品材料研究会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画である結晶粒経を変化させた時のNiSi相と基板Siとの界面モルフォロジーの検討は、研究途中に予期しなかった高温相の低温形成という現象が見つかったため、その解明に目処をつけることを優先したため、研究としては遅れている。最終年度で検討を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の結晶粒経を変化させた時のシリサイドとSiとの界面の平坦性について重点的に研究を行い全体を取りまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の実験計画にはなかった高温相の低温形成という現象が見つかったため、こちらの解明を先に行ったため、結晶粒経を変える実験が25年度に繰越となった。このためこれに関連する実験に係る物品の購入等がなかったこと、および実験補助の大学院学生が得られなかったため謝金の支出がなかったので、繰越が生じた。25年度はこの前年度繰越も含めて結晶粒経を変えたシリサイド形成の実験研究に使用する予定である。
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