2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560453
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田野 哲 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80378835)
|
Keywords | MIMO |
Research Abstract |
【シングルユーザMIMO】端末に搭載できるアンテナには制限がある。この制限により、MIMOを利用したとしても下りリンクにおける1ユーザ当りの通信速度を高速化できないという問題がある。そこで、本研究ではこの問題を解決する手法を検討している。以下に、本年度の成果を以下に記す. (1) 同時送信情報信号数の増大法における演算量低減法:前年度まで提案した仮想伝搬路に基底格子縮小を適用した受信機の演算量低減法を提案した。提案法は原理的に伝送特性の劣化なく演算量を低減できる。送信された8ストリームを2アンテナで受信した場合、提案法により特性劣化なく演算量を60%低減できることを示した。 (2) 16QAM信号の同時送信数増大法:より高速伝送を目指して,16QAM変調信号を同時に多数送った場合の仮想伝搬路を用いた受信機構成法を提案した。まず、16QAMを用いた場合には伝送路の状況により、大きく特性が劣化することを理論的に明らかにした。そして、この劣化を緩和するための、送信機における位相回転法を提案した。送信された4ストリームを2アンテナで受信した場合、提案法により平均ビット誤り率10-5点において約17dBの利得が得られることを示した。 【 マルチユーザMIMO】同時送信情報信号数の増大法及びフィードバック情報量削減法:固有ビームとヌルビームを組合せたマルチユーザMIMOプリコーディング法を提案した。提案法によりフィードバック情報量を更にユーザ数分の一に出来る事を示した.さらに、フィードバック情報量を低減しても高い伝送特性を達成するためターボ符号を適用した仮想伝搬路を用いた受信機構成を提案した。フィードバック情報量を削減したためユーザ間干渉があるが提案受信機を用いれば、各ユーザのアンテナが2本であっても、4ストリームの信号を高品質に受信できることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度以降の研究計画では(1) 23年度に引き続き同時送信情報信号数の増加法の検討、(2)繰り返し干渉キャンセラの適用、(3)マルチユーザMIMOにおける同時送信情報信号数の増加法、(4)シングルユーザ技術の応用をあげていた.各々の成果を以下にまとめる。(1)演算量60%低減。(2)前年度の研究結果が理論上の上界を達成したため、導入の必要なし.(3)フィードバック情報量をユーザ数分の1と抑えつつ、2本のアンテナで4ストリーム受信を可能にした.(4)は最終年度の検討課題とする。従って,本年度までの研究はほぼ順調に推移している.
|
Strategy for Future Research Activity |
シングルユーザMIMOの同時送信信号数の増大法における伝送特性改善法を検討する.この方法では、MIMO検出と誤り訂正符号を連接させている。特に、本研究では高い誤り訂正能力を得るためにTurbo符号を用いている。この構成の特徴を詳細に検証し,伝送特性改善法を模索する.また同時に,この技術をマルチユーザMIMOにも応用し、最終年度の課題をクリアする。また平成24年度に引き続き、多値変調の適用によるさらなる1ユーザへの通信の高速化・高品質通信をめざす。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通りにほぼ順調に研究が推移しており、幾つかの研究成果も得られている。そこで、これらの研究成果を国内外の無線に関する最先端の研究者・技術者の前で発表し,研究者や技術者と議論をして、今後の取り入れるべき新しい研究方法を見いだし、さらに研究を押し進めていく。そのために、得られた研究成果を国内外の研究集会、および国際会議で発表する。その際に必要となる、旅費および参加費として主に予算を活用する。さらには、得られた研究成果をまとめて学術雑誌に投稿する。その際に必要になる論文掲載費としても活用する。
|
Research Products
(8 results)