2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560453
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田野 哲 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80378835)
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Keywords | MIMO |
Research Abstract |
端末に搭載できるアンテナには制限がある.この制限により,MIMOを利用したとしても下りリンクにおける1ユーザ当りの通信速度を高速化できないという問題がある.そこで,本研究ではこの問題を解決する手法を検討している. (1) 同時送信信号数の増大法における伝送特性改善法:仮想伝搬路を適用したMIMO検出器の特性を改善するために,MIMO検出器に最大事後確率推定の適用を検討した.単純に最大事後確率推定するだけでは,畳み込み復号を利用した場合と同様の特性しかえられないことを明らかにした.そこで,ターボ符号の特性を十分に発揮する新しい繰返し受信機の構成を提案した.提案法では,MIMO検出器からは硬判定信号をターボ復号器に出力し,ターボ復号器からは外部値をMIMO検出器に出力する.但し,その際にターボ復号器内の繰返しを行わない.これにより,ビット誤り率が0.0001のときに1dB程度の特性が改善された.更に,仮想伝搬路を適用したMIMO検出器に適した最大事後確率推定規範を提案した.この提案法を適用することで,ビット誤り率が0.0001の時にさらに2.5dB特性が改善出来ることを示した. (2) 同時送信信号数増大法への多値変調の適用による高速化:(1)では QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)という1シンボル当り2ビットを割り当てる変調方式を利用している.今年度は,仮想伝搬路を適用した受信機が扱える変調方式を16QAM変調へ拡張する.但し,昨年度の報告書に記したように,従来方式をそのまま適用すると大きく特性が劣化することが分かっていた.そこで,基底格子縮小の導入を検討した.但し,16QAMでは信号点により振幅が3種類あり,かつそれらが格子点に載らないという問題点があった.そこで,振幅を含む新たな仮想伝搬路を提案し,基底格子縮小の適用を可能にした.提案法は4x2のMIMO通信路においてMLDとほぼ同様の伝送特性を達成することを示した.
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Research Products
(2 results)