2012 Fiscal Year Research-status Report
衛星および地理情報データを用いた流域窒素循環評価システムの開発
Project/Area Number |
23560481
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖 一雄 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50292628)
|
Keywords | 流域解析 / リモートセンシング / 流域物質循環モデル |
Research Abstract |
平成24年度は、窒素循環モデルの検証として平成23年度の水質調査を引き続き実施した。また、MODISデータによる日本全域における高精度土地被覆分布を作成し、精度良く土地被覆状態が評価されていることを確認した。さらに、リモートセンシングにより評価された過去20年間の土地被覆分布とGISによりデータベース化された流域の各種環境情報(人口、流域の地形など)を空間的に統合し、統合された空間情報システムにより窒素汚濁負荷量推定モデルの開発をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、霞ヶ浦流域における各種環境情報のデータベース化、モデル検証のための日本全域を対象とした各河川の水質データの収集、霞ヶ浦流域の土地被覆分布の作成及び日本全域の土地被覆分布を評価するために広範囲観測に適したMODIS衛星データの収集、さらに収集されたMODISデータを用いて日本全域における高精度土地被覆分布図の作成し、精度良く土地被覆状態が評価されていることを確認した。さらに、リモートセンシングにより評価された過去20年間の土地被覆分布と収集された各種GISデータより窒素汚濁負荷量推定モデルの開発をおこなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)開発された窒素汚濁負荷量推定モデルの検証を実施する。特に、点源(生活排 水など)データを考慮したことによるこのモデルの有効性を検証する。最終的には、生態系における物質の循環を定量的に把握するため、農地・都市および流域における窒素循環を評価する。 (2)収集されたデータとモデルを用いて、21世紀の温暖化シミュレーションに対して、人間活動に伴うと考えられる将来の土地利用・気候変動による流域の窒素循環への影響とリスク評価を行って、河川湖沼海洋での汚染の発生要因を解明し、生態系を持続させるための人間活動のあり方を提案する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)モデル検証のための各流域での調査(水質、流量、土地被覆)として大学院生3人ほどの調査補助が必要であるため謝金が必要となる。 (2)日本全域の点源データの収集及び調査の補助、そして、そのデータ(資料)整理として1名ほどが必要であるため謝金が必要となる。 (3)流域窒素循環モデルの構築のために、国土数値情報の購入費用及び現地調査費用が必要である。
|