• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

橋梁-車両系の動的応答解析とモンテカルロ法を用いた疲労設計用衝撃係数の定式化

Research Project

Project/Area Number 23560571
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

中村 聖三  長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40315221)

Keywords構造工学 / 長寿命化 / 衝撃係数 / 疲労
Research Abstract

昨年度は,2自由度系にモデル化した単軸車両モデルによる動的応答解析とモンテカルロシミュレーションを組み合わせた疲労設計用衝撃係数算定プログラムを作成し,車両質量を確率変量とした場合の試算を行った.その際,橋梁の支間長,路面の状態,車両速度を変化させ,それぞれの値が衝撃係数に与える影響を検討した.しかし,一部に誤りがあることが今年度の検討で判明した.そこで今年度は,まず,プログラムを修正して同様な検討を再度実施した.次に,2軸4自由度の車両モデルを用いた解析が可能なプログラムを新たに作成し,車両モデルの影響についても検討した.さらに,衝撃係数の算出結果を用い,疲労設計用衝撃係数を主要なパラメータの関数として定式化することを試みた.今年度得られた主な結果は以下のとおりである.
(1) 衝撃係数は,支間長が40mのときに最も大きな値となり,道路橋示方書や疲労設計指針とは異なる傾向を示した.これは橋梁と車両の固有振動数比によるものであるということを明らかにした.また,路面状態による動的効果の変化が著しいため,供用後の維持管理レベルに合わせた衝撃係数の設定が望ましいことを指摘した.
(2) 車両速度が20km/hおよび40km/hのときは同じような傾向を示したが,80km/hのときは若干異なる傾向を示した.路面状態が良い場合は車両速度が増加するにしたがって衝撃係数も大きくなるが,路面状態が悪い場合は車両速度が増加するにしたがって衝撃係数は小さくなった.1軸2自由度車両モデルを用いた時より2軸4自由度車両モデルを用いた時の方が,橋梁の応答が増加し,衝撃係数も大きくなった.
(3) 算出された衝撃係数に基づいて定式化を行い,将来の維持管理レベル別に主要なパラメータの関数として定式化された新たな疲労設計用衝撃係数を提案した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は,判明した解析プログラムの誤りを修正し,昨年度と同じ条件で再解析を実施した.その後,橋梁上を重量が確率的に変化する2軸車両が走行する場合について疲労設計用衝撃係数の検討を行うための解析プログラムを開発し,代表的な条件で疲労設計用衝撃係数を算定した.また,これらの成果の一部を土木学会年次学術講演会,土木学会西部支部研究発表会,The 5th International Conference on New Dimensions in Bridges, Flyovers, Overpasses & Elevated Structures等で発表した.当初計画では「多軸車両モデルも考慮できる疲労設計用衝撃係数解析システムを構築し,より現実的な構造条件,交通流条件に対して疲労設計用衝撃係数を算定するとともに,成果を国内外のシンポジウム等で口頭発表する」ことを到達目標としていた.昨年度の検討に一部誤りがあったためプログラムを修正のうえ再解析を実施したことから,より現実的な条件で解析を実施するという点では当初計画よりやや遅れてしまったが,これまでに得られた解析結果に基づき,疲労設計用衝撃係数の定式化を試みた点は計画より進捗している.
以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

次年度請求する研究費を利用し,より現実的な構造条件,交通流条件に対して疲労設計用衝撃係数を算定し,設計実務に適用可能な疲労設計用衝撃係数を構築する.また,前年度の成果を国内外で発表するとともに,研究の最終年度として,過去2年間の成果を取りまとめた論文および報告書を作成する.さらに,一連の研究成果を取りまとめた論文を国内外の論文誌に投稿する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初計画通り,記録メディア等の消耗品,国内で3回程度,国外で1回の発表を行うための旅費,外国語論文校閲費用,研究補助に対する謝金,汎用FEM解析ソフトウェアの保守費,報告書作成,研究成果の投稿料等に使用する予定である.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 走行荷重解析を用いた疲労設計用衝撃係数に関する基礎的研究2012

    • Author(s)
      中野一也,中村聖三,西川貴文,奥松俊博
    • Journal Title

      鋼構造年次論文報告集

      Volume: 第20巻 Pages: 545-550

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 走行荷重解析を用いた疲労設計用衝撃係数に対する車両速度の影響2013

    • Author(s)
      中村聖三,中野一也,奥松俊博,西川貴文
    • Organizer
      平成24年度土木学会西部支部研究発表会
    • Place of Presentation
      熊本大学
    • Year and Date
      20130309-20130309
  • [Presentation] 走行車両応答解析に基づく平均的な路面状態に対する疲労設計用衝撃係数の試算2012

    • Author(s)
      中村聖三,中野一也,西川貴文
    • Organizer
      土木学会第67回年次学術講演会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      20120905-20120907
  • [Presentation] Fundamental study on impact factor for fatigue design of highway bridges based on moving vehicle response analysis2012

    • Author(s)
      Kazuya Nakano, Shozo Nakamura and Takafumi Nishikawa
    • Organizer
      The 5th International Conference on New Dimensions in Bridges, Flyovers, Overpasses & Elevated Structures
    • Place of Presentation
      Wuyishan
    • Year and Date
      20120727-20120729

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi