2013 Fiscal Year Annual Research Report
実環境相似型腐食促進試験方法の開発と環境評価手法に関する研究
Project/Area Number |
23560575
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
押川 渡 琉球大学, 工学部, 准教授 (80224228)
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Keywords | ACMセンサ / 腐食性評価 / 亜鉛めっき鋼板 / 赤さび発生面積率 / 海塩 |
Research Abstract |
高度経済成長期に建設された鋼橋等の社会資本の劣化損傷の危険性が高まりつつある中,その維持管理手法の開発が望まれている。実際の屋外暴露試験は,信頼性は高いが,長期間かかるため,試験時間の短縮しつつ,実環境を模擬した試験方法の開発が必要である。 屋外環境は「海塩付着量」と「濡れ」で定義できると考えている。インクジェットプリンタに変わる,海塩を一定量付着させるための装置として,コンプレッサーと微霧発生ノズルを利用した。通常の暴露試験にも利用される150mm×70mmの試験片でもステージを一定速度で移動させることで,均一に海塩を付着させることが可能となった。海水の濃度,ステージの移動速度を適宜変化させることで,所定の海塩付着量を与えることが可能となった。本装置を利用し,海塩を付着させ,温度と湿度を一定の恒温恒湿条件下において,腐食速度を求めた。塩付着量が多いほど,温度,湿度が高いほど,腐食速度は増加し,これは表面の「濡れ」,要するに水膜厚さに関連しており,水膜厚さが厚いほど,腐食速度も大きくなった。 環境の腐食性を評価するための簡便な方法として,亜鉛めっき鋼板を暴露し,下地鋼が錆びることにより端部からの赤さび発生面積率を指標とする方法を検討した。入手しやすい市販のめっき鋼板(めっき厚さ約7μm)を数カ所に暴露した。鋼材の腐食量が大きい環境ほど,赤さび発生面積率は高くなることが判明した。今後,さらに鋼材の腐食量と赤さび発生面積率との関係を構築することで,より精度が高まり,簡便な手法として期待できる。また,実際の環境下で亜鉛と鉄の腐食速度の比率を文献調査により検討した。北海道から沖縄まで全体の比率(Fe/Zn)としては,14~42で平均では約26であった。5%NaClによる塩水噴霧試験ではその比は10以下となり,0.03%NaClでは30と実環境に近いことがわかった。
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Research Products
(1 results)