2013 Fiscal Year Annual Research Report
非破壊検査・モデル試験・数値解析を活用した盛土の健全性評価に関する研究
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23560590
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
檜尾 正也 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 寄付講座准教授 (00335093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊本 統 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (90508342)
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Keywords | 盛土 / 安定性評価 / 表面波探査 / モデル試験 / 浸透水 / 維持管理 / 長寿命化 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に沿って、表面波探査の実施およびモデル試験の実施、維持管理システムの構築を行っている。 表面波探査では対策工が行われる盛土に対して、対策工が行われる前後に探査を行い、対策工の効果検証に活用した。その結果、ふとんかご工などの対策工を行った場所の近辺でS波速度の上昇上昇がみられた。これは対策によって盛土に作用する拘束応力が上昇したことによって盛土の密度や剛性が上昇したためと考えられる。このように表面波探査を活用するすることで、従来では確認できなかった盛土の内部状態(密度や剛性)の変化を把握することができ、対策工の効果の確認が行える。 モデル試験では、前年度に引き続き2次元モデル試験土槽を用いた試験を実施し、浸透水による盛土の安定性への影響を検討した。盛土は粒度分布が異なる2種類の土を用いて作成し、盛土材の違いによる影響を検討した。また、それぞれの土で締固め度の異なる盛土を作成し、締固め度の違いによる影響も検討した。その結果、締固めが十分に行われなかった盛土では、地下水の浸透によって細粒分が流失し、盛土内部に水みちが形成され、盛土の表面にクラック等の変状が生じた。特に、粒度分布が狭い土を用いた盛土では最終的には崩壊に至ることが分かった。一方、十分に締固めた盛土では、崩壊することもなく表面の変状もほとんど見られなかったが、細粒分の流失による水みちの形成は確認できた。したがって、水みちが形成された盛土では、細粒分の流失で内部の密度低下が生じ、耐震性の低下につながることが分かった。したがって十分に締固められた盛土であっても長期的な浸透水にさらされると盛土の安定性は低下するため、盛土の内部状態の把握が重要であると言える。 最終的にはこれらの成果をもとに合理的な維持管理システムの提案を行った。
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