2011 Fiscal Year Research-status Report
駿河湾の地震(2009年8月)による東名牧之原地区における盛土崩壊事故の事後解析
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23560594
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
太田 秀樹 中央大学, 公私立大学の部局等, 機構教授 (80026187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 邦夫 中央大学, 理工学部, 教授 (00092552)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 締固め / 定体積せん断 / 盛土 |
Research Abstract |
2009年8月11日5時7分発生の駿河湾の地震(M6.5)により、東名高速牧之原地区の盛土法面が崩壊した。地震前日までの降雨等により盛土内水位が高まったところに、地震荷重が加わって崩壊したものである。未崩壊の盛土部分は極めてしっかり締め固めてあったが、落下・流動した崩壊部分の盛土材料がどろどろの高含水比であった。なぜこれほど対照的になるのかを実験的に調べるべく、研究代表者らは崩壊直後の現場から採取した盛土材料をもちいて、圧密・定体積せん断試験を実施し、盛土材の基礎的な力学特性を求めようとした。盛土材のなかに人頭大の泥岩が含まれており、一部スレーキングによって泥濘化しつつあると見られた。盛土内部に侵入した水による乾湿繰り返しが原因で、スレーキングを起こしたのであろうかと想像されるが、牧之原地区における盛土材料に泥岩がまったく含まれていなかったとすれば、盛土は崩壊しなかったのかどうか?この疑問に解答の糸口を見つけたいというのが、実験の最終目標である。313.82kPaの圧密圧力で圧密したのち、試料を定体積せん断に供した。せん断初期に垂直応力の減少方向に向かっていた有効応力経路が、変相角を通過後に増加に向かい始めて最終的に破壊に至った。強度増加率su /σ’v0 が乾いた土ほど高くなったが、多くの前例では含水比にかかわらず一定値になることが多く、含水比・締固めの程度・定体積強度の関係がきわめて複雑な盛土材である可能性が高いことが判明した。建設から経過した何十年もの間、特に不安定な挙動を示さなかった盛土が突然崩壊する事例が、能登縦貫道路でも10か所以上発生している。共通点があるかどうか、現時点では不明であるが、今後研究を更に進めてゆきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに実験を進め、当初の研究目的の達成に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として実験に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Estimation of rockfill dam behavior during impounding by elasto-plastic model2011
Author(s)
Tomida, N., Sato, N., Soda, H., Jikan, S., Ohmori, K. and Ohta, H.
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Journal Title
Dams and Reservoirs under Changing Challenges, Taylor & Francis Group, London
Volume: なし
Pages: 27-34
DOI
Peer Reviewed
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