2012 Fiscal Year Research-status Report
駿河湾の地震(2009年8月)による東名牧之原地区における盛土崩壊事故の事後解析
Project/Area Number |
23560594
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
太田 秀樹 中央大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80026187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 邦夫 中央大学, 理工学部, 教授 (00092552)
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Keywords | 締固め / 定体積せん断 / 盛土 |
Research Abstract |
2009年8月11日5時7分発生の駿河湾の地震(M6.5)により、東名高速牧の原地区の盛土法面が崩壊した。地震前日までの降雨等により盛土内水位が高まったところに、地震荷重が加わって崩壊したものである。崩壊後の目視によれば、未崩壊の盛土部分は極めてしっかり締固めてあったが、落下・流動した崩壊部分の盛土材料がドロドロの高含水比であった。なぜこれほど対照的になるのかを実験的に調べるべく、研究代表者らは崩壊直後の現場から採取した盛土材料を用いて、圧密・定体積せん断試験を実施し、盛土材の基礎的な力学特性を求めようとした。 平成23年度に実施した実験結果を確認すべく、改めて同じ実験を繰り返したところ23年度の実験結果と異なる結果が得られた。そこでさらに試料の準備段階での操作を厳密かつ精緻に実施して実験を繰り返したところ、従来からの定説とされている傾向と一致する結果が得られた。実験の精度を高めるために、一面せん断試験機に替えて新たに制作された単純試験装置を用いるなどの工夫を凝らした成果が出たものと考えている。実験の精度が確認できたことにより、研究当初からのネライに向かって自信をもって研究を進めることができるようになった。 それと同時に、締固め試験に供する試料の準備に関する現行方法の問題点が浮かび上がってきたのが、本研究の副次的な成果である。今後現行の試験方法の基準改正に向かって、重要な参考となりうる有益な副産物的研究成果が得られたので、予期しなかった研究成果であると喜んでいる。 次年度には当初の研究目的を達成すべく研究を進めてゆき、高速道路盛土の長期保全に関する有益な研究成果を追究してゆきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に実施した実験結果を確認すべく、改めて同じ実験を繰り返したところ23年度の実験結果と異なる結果が得られた。そこでさらに試料の準備段階での操作を厳密かつ精緻に実施して実験を繰り返したところ、従来からの定説とされている傾向と一致する結果が得られた。実験の精度を高めるために、一面せん断試験機に替えて新たに制作された単純試験装置を用いるなどの工夫を凝らした成果が出たものと考えている。実験の精度が確認できたことにより、研究当初からのネライに向かって自信をもって研究を進めることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに実験を進め、当初の研究目的の達成に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として実験ならびに実験結果の整理に使用する予定である。
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Research Products
(14 results)