2012 Fiscal Year Research-status Report
「限界自治体」における生活質と居住意向からみた集約型地域モデルに関する研究
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23560637
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 哲夫 群馬工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70419084)
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Keywords | 限界自治体 / 生活質 / 居住意向 / 集約型 / 災害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、目的1:限界自治体における生活質評価・居住意向の把握、目的2:生活質評価・居住意向モデルシステムの開発、目的3:限界自治体における集約型地域モデルの提案である。当該年度(2年目)は、目的2に対応し、1)アンケート調査より得られた定量的データによる生活質の分析、2)アンケート調査の定性的な自由記述データを用いた生活質分析、3)世帯属性・集落特性別の居住意向の分析、4)生活質評価・居住意向モデルの構築を行った。本研究は、高齢化率が50%以上の「限界自治体」を対象に、災害危険性に着目し、生活質評価と居住意向に基づき、コンパクトな地域構造を提案することに特徴がある。 本年度の具体的な研究成果は、次のとおりである。1)限界自治体における生活質評価が、利便性、安全性、コミュニティ等の潜在因子からなることを明らかにした。2)自由記述データに自然言語処理技術を適用し、生活質評価・居住意向に関連のある語を抽出した。3)世帯属性・集落特性と生活質・居住意向の関係を明らかにした。4)以上を踏まえ、世帯属性・集落特性、生活質評価・居住意向を一体的に扱うモデルを構築した。 研究体制としては、当初から予定していたように、研究課題に関連する環境、防災、言語処理の各分野の連携研究者による研究会を組織し、研究を推進した。さらに、限界自治体での調査を円滑に進め、自治体との協働でモデルプランを検討するための地域の連携研究者の参画を求め、ワーキングを組織した。研究代表者、研究連携者3名、研究協力者3名が、高いレベルの議論を交わし、研究活動を分担し、効率的に研究活動を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、昨年度に2自治体のアンケート調査および基礎集計を完了する予定であったが、1自治体については、市役所の全面的な協力を得たため、当初の予定よりも膨大なサンプルが得られたため基礎集計作業が本年度にずれ込んだ。本年度は基礎集計を完了し、分析に入ることができた。研究全体としては、分析、モデル構築はほぼ予定どおり進み、研究発表・論文投稿も行っている、「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(3年目)は研究最終年度であるため、当初の計画どおり目的3に対応し、限界自治体における集約型地域モデルの提案を進める。そのために、2年間で進めてきた分析、生活質・居住意向モデルシステムを活用し、シミュレーションを行い、目指すべき地域モデルを示す。また、集約型地域モデルを提案するにあたり必要となるモデルシステムの改良を行う。以上の成果を、学協会の研究会での発表、シンポジウム等での発表、論文集への投稿を行う。 さらに、本研究で提案する地域モデルを、東日本大震災の被災地における集約型地域づくりへの適用する可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画どおり研究を推進し、学協会での発表の旅費・経費、論文投稿のための旅費・経費として使用する。また、追加分析のためのデータ作成が必要となるため、研究作業員の人件費として使用する。また、研究のための消耗品、資料購入にあてる。
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