2011 Fiscal Year Research-status Report
光沢度計を用いたスケーリング評価に基づくコンクリートの凍害劣化診断・補修技術
Project/Area Number |
23560657
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 拓哉 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30360465)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コンクリート / 凍害 / スケーリング / 光沢度 / 診断 |
Research Abstract |
本研究は、コンクリートのスケーリングをはじめとする凍害劣化を対象として、光沢度計を用いた表面粗さ推定によるスケーリング量・深さの推定値から、凍害劣化の進行予測を行い、その劣化状況、適切な補修技術の選定を行う技術を開発することを目的としているものである。平成23年度では以下の検討を行った。(1)凍害劣化の実態調査:実構造物に発生したスケーリングやひび割れなどの凍害劣化について、その発生状況とともに、発生部分の水分供給条件、温度条件、塩分の有無などの調査を行った。その結果として、気象因子および構造物の立地条件とコンクリートのスケーリングの発生について基礎的データを得た。(2)光沢度計を用いたスケーリング評価の試験方法に関する検討:再生粗骨材、高炉スラグ微粉末などの各種混和材料から代表的なものを選定し、コンクリート供試体(75×75×400mm)を作製し、A法による凍結融解試験を行った。この時、質量減少量、長さ変化、相対動弾性係数のほか、表面粗さ、光沢度の測定を行った。その結果として、スケーリングは普通コンクリートと同様に評価できること、含水状態によってスケーリング発生の速度が異なること等が明かとなった。(3)各種補修工法を適用したコンクリート供試体の凍結融解試験・屋外暴露試験:代表的な補修工法を適用した試験体について、屋外暴露試験を行った。今後継続的に測定を行い、補修工法の影響について明らかとする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定をしていた検討を行い、予定していたデータはおおむね得られた。次年度以降も継続してデータを蓄積する予定である。しかし、今年度予定していた屋外暴露試験については、当初想定していた条件(含水状態等)について再現するためには工夫が必要であることがわかり、次年度以降に再検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
○光沢度計を用いたスケーリング評価の試験方法に関する検討:平成23年度と同様に平成24年度は、内部膨張劣化が先行的にまたは同時に生じた場合も含め検討することとし、空気量が少ない供試体などを作製し試験を行うものとする。また、結果をふまえ、現場調査に対応した光沢度計を用いたスケーリング評価方法の提案を行う。○各種補修工法を適用したコンクリート供試体の凍結融解試験・屋外暴露試験:平成23年度に継続して測定を行うとともに、作製できなかった試験体について再度作製を行う。○ 各種環境条件とスケーリング劣化の関係の検討:各種コンクリートを対象として、実験計画法を用い、凍結融解時の最低温度、凍結融解時間、凍結持続時間、水分供給条件(気中凍結水中融解など)を因子に割り付けて凍結融解試験を行い、各種環境条件の影響度を明らかとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験用消耗品、実験補助などに用いるとともに、国際学会に発表するためその旅費に用いる予定。 なお、23年度に実験用消耗品を購入する予定の残金があったが、執行直前に、研究代表者が緊急入院したため、未使用となった分が生じた。この分は24年度に実験用消耗品の購入にあてる予定である。
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