2013 Fiscal Year Annual Research Report
精神科病院における空間的アプローチによる治癒環境に関する研究
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23560714
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 茂樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80134352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
積田 洋 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (60120119)
鈴木 弘樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50447281)
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Keywords | 精神科病院 / 隔離室 / 公共空間 / 治癒空間 |
Research Abstract |
今年度は、患者へのアンケートや行動観察調査の本調査を行なった。また、数値化した客観的なデータをもとに分析を行った。その結果、精神科医療が一般化医療と同様に、正しい治療プロセスを経て、回復し、社会復帰する医療と認識されつつある今日、建築・空間が治療に貢献できる可能性があることを確認した。3 年間の研究で、隔離室の建築と設備の実態を把握し、ついで隔離室に対する患者と医療者の評価構造を明らかにした。また、従来の施設収容方医療空間と相応に空間量があり空間の状況に多様性がある空間とでは、患者の行動様式が異なり、その要因を空間のポテンシャル量に見出せることを発見した。具体的には、隔離室の調査分析では、1、 変化の乏しい閉鎖された空間で、空間要素を改良することは、患者の空間に対する満足度をよくする。また、唯一外的情報としての窓からの風景は、患者にとって重要な空間要素である。2、 隔離室に長期入院するほど患者は、安全・安心感において良い評価となる。3、 入院回数が1回の患者の全員が、自宅が安全・安心・居心地がよいと回答し、複数回の入院患者は隔離室が安全・安心・居心地がよいと回答する割合が増えてくる。また、公共空間の調査分析では、統合失調症患者および認知症患者において、1人あたりの空間量的増加や空間が新しくなるなどの環境の変化は、一般的疾患傾向、身体的症状、睡眠障害、社会的活動障害、不安と気分変調、希死念慮うつ傾向において改善する。2.回遊性のない多翼型プランの同空間で統合失 調症患者、認知症患者、若者の患者の行動やトラブルの質が違う。などの知見が得られた。
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Research Products
(7 results)