2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しい計画論に対応する先進的ゾーニング制度の普及に関する研究
Project/Area Number |
23560718
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高見沢 実 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 教授 (70188085)
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Keywords | ゾーニング / 地方分権 / ニューアーバニズム / 都市計画制度 |
Research Abstract |
25年度は日本国内の全自治体のうち都市計画区域をもつ1730の市区町村を対象に、現行都市計画制度の問題点の把握、および近年の実践事例、さらには都市計画制度改革の必要性やその内容についてアンケート調査を企画・実施した。米国と違って日本では都市計画制度の分権があまり進んでいないため、これからの分権的な都市計画制度への道筋や内容を明らかにする質問内容とし、実践事例の発掘ができるものとした。主な質問項目は、1)現在のゾーニングおよび都市計画制度の問題点、2)その背景にある課題(自治体の権限や財源、人材等)、3)都市計画制度改革の必要性とその内容、プロセス、4)近年取り組んだ新しい試み、5)都市計画提案制度について、6)民間発意の取組について、7)新しい状況や課題。結果、近年の人口減少に現行のゾーニング制度が対応できていないこと、それに対して国が細かな基準をつくるのではなく地方が主体的に取り組めることを望んでいること、しかしながら7割近くが「国が主導して新しい仕組みを設けるべき」と考えていること等がわかった。近年の取組みでは人口減少を反映して、市街化調整区域での地区計画や開発許可の工夫が多かったほか、マスタープランやまちづくり条例の工夫も比較的多かった。しかしゾーニング制度については、工夫の内容も運用上のものにとどまるものが多かった。アンケートを踏まえた評価のため、全国の地域地区活用状況を分析したところ、条例の活用が期待された特別用途地区もあまり活用されていないなど、制度を改革しない限り大きな変化は望めないことも明らかになった。最後に、近年提起されている都市計画制度改革のレビューを踏まえ、地方分権をさらに進める新しい都市計画制度の構想をまとめた。ニューアーバニズム等の新しい計画論に関連した海外の動向もフォローアップし、運用事例も含めて全体的なまとめをおこなった。
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Research Products
(1 results)