2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560741
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
真鍋 恒博 東京理科大学, 工学部, 教授 (10084378)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 亮平 東京理科大学, 工学部, 講師 (20548391)
濱 定史 東京理科大学, 工学部, 助教 (40632477)
|
Keywords | 建築構法 / 断熱材料 / 断熱構法 / 防音構法 / 防音材料 / 変遷史 |
Research Abstract |
最終年度は、建築の内・外装のうち下地層・仕上げ層に位置づけられる機能付与材料に着目し、天井・壁・床に用いられる防音構法を、空気伝搬音の反射・透過の抑制に用いられるものを対象として、雑誌「音響技術」、「建築技術」等の文献、関連する企業・団体のカタログ・社史等から防音構法・材料に関する記述を収集し、さらに識者へのヒアリング調査を行った。これらの方法で収集した情報から、変遷の概要を明らかにした。 吸音に用いられる材料・構法の変遷を軟質繊維板・鉱物繊維板・有孔吸音板の3分類より考察した。 軟質繊維板は、1924年頃、米国の軟質繊維板が紹介され、昭和初期から一般的な天井仕上材として普及した。957年 6 月のJIS改定でインシュレーションボードと呼称が変更された。しかし、内装制限の強化により不燃材料が広く採用されるようになったことから、軟質繊維板は仕上材としては用いられなくなった。 鉱物繊維板(摩擦による吸音) は、1955年頃、米国の技術を導入してロックウール(RW)吸音板が生産され、乾式のシステム天井の元祖であったが、伸縮が激しく隙間が生じたため、試験的な製造に留まった。これは在来構法にも影響し、施工精度が要求される直貼り構法から、伸縮の少ない石膏ボードの下地にRW吸音板を化粧仕上材として上貼りする捨て貼り構法へ移行した。1987年頃までには、間仕切の少ない超高層ビル等ではシステム天井、間仕切が多く区画の小さい箇所では在来構法という使い分けがされるようになった。施工が容易できれいに仕上がることから、軽量鉄骨下地捨て貼り構法が主流であった。 有孔吸音板(共鳴振動による吸音) は、低音や人の声にあたる音域の吸音率に優れた吸音用あなあき石膏板が1954年に登場し、学校や病院などの公共建築物で多用された。 以上のように、空気伝搬音の反射・透過の抑制に用いられる防音構法の変遷を把握した。
|