2014 Fiscal Year Annual Research Report
中部イタリア都市における居住空間のレスタウロ:再生・利活用に関する研究
Project/Area Number |
23560748
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
黒田 泰介 関東学院大学, 建築・環境学部, 教授 (70329209)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 居住空間 / 再生・利活用 / イタリア都市 / レスタウロ / フィレンツェ / トスカーナ地方 / 都市組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイタリアの歴史的都市内に現存し、今なお住まわれ続けている歴史的な居住空間について、その再生・利活用:レスタウロの理念および建築的介入の内容を、実測調査による史的痕跡の明確化および建築類型学的分析を通じて、実証的かつ総合的に明らかにしようとするものである。 平成25年度は昨年度に引き続きフィレンツェを中心としたイタリア中部の歴史的中心地区を対象として、歴史的な居住空間の修復・再生事例を現地調査すると共に、建築史、都市史に関する資料収集を行った。調査にあたり、G.パーバ教授(フィレンツェ大学)、O.ニリオ准教授(eCampus大学)、C.コンフォルティ教授(ローマ大学)の協力を得られた。 フィレンツェでは中世期の住宅建築として重要な事例であるアルベルティ家の塔状住宅(14C)、パラッツォ・カッポーニのリモナイア(温室、18C)の住宅への転用例など、極めて特徴的であり、イタリアの再生住宅の特質を明らかにする上で欠かせない歴史的住宅の再生事例各種を調査した。またA.パルドゥッチ教授(ペルージャ大学)の協力を得て、ウンブリア・マルケ州の都市ペルージャの歴史的中心地区内の住宅を主とした都市組織について、現地調査および資料収集を行った。当初計画では平成25年度はペルージャ等ウンブリア・マルケ州での調査を行う予定であったが、フィレンツェにて予定外に多くの調査を行ったため、予定通りの計画進行はできなかったものの、本研究全体としては有意義な成果を上げることが出来た。 平成27年度に認められた繰越金によってフィレンツェにおける補足調査と文献研究を行うと共に、関係研究者からの助言を得ることが出来た。これらの成果は今後予定される南イタリアの歴史的建築に関する研究に対して、大いに役立つものと考えられる。
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Research Products
(6 results)