2013 Fiscal Year Annual Research Report
「場」の概念からみた図書館における来館を促す建築的魅力に関する研究
Project/Area Number |
23560751
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
中井 孝幸 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (10252339)
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Keywords | 図書館 / 利用行動 / 居場所 / 空間構成 / 座席選択 / 利用者属性 / 公共図書館 / 大学図書館 |
Research Abstract |
平成25年度は、23、24年度に引き続き公共図書館での調査に加え、特徴的なサービスを行っている大学図書館と東日本大震災の被災地の図書館においても調査を行った。 公共図書館では、平成24年度に調査した複合施設の塩尻市立図書館にて巡回プロット調査、駅に隣接して商業施設や子育て支援センターなどが複合している一宮市立中央図書館にて来館者アンケート調査と巡回プロット調査を行った。一宮は駐車場が小さく有料なため車での来館が少なく利用圏が広がらず、主婦層の利用も少ない。学習室を図書館内に持つ一宮では中高生の学習利用が多く見受けられ、施設の共用部に学習室のある塩尻では中高生の図書館利用が少なく、空間的な構成差が利用者層や行動に影響を与えていることが分かった。 一方大学図書館では、滞在型図書館プログラムのマイライフ・マイライブラリーに取り組んでいる東京女子大学図書館と文系の学部1・2年生と大学院生を主に対象としてラーニングコモンズを擁する明治大学和泉図書館にて来館者アンケートと巡回プロット調査を行った。着座行為率が過去の事例と同様に85%を超えるなど、着座に対する要望は非常に高い。勉強やPC利用も多いが携帯電話や居眠りなどの行為も多く、座席選択には目的の行為と各階の座席構成などに影響することが分かった。 また、東日本大震災の被災地で津波と地震により仮設建物でサービスを再開した南三陸町図書館と名取市図書館で、土曜日と平日の各1日ずつ来館者アンケート調査を行った。現住所と震災前の住所や自宅から避難経緯から、震災前後で利用に大きな変化はなく、仮設での図書館再開により再び利用するようになった経緯が分かった。南三陸では震災復興で来ている人や30km以上離れた町外からも定期的に利用するなど、図書館利用が日常の生活リズムを作り出している状況が整理できた。
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Research Products
(15 results)