2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560836
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 恵司 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80324713)
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Keywords | 非晶質 / 中性子 / 金属ガラス / 構造 |
Research Abstract |
今年度は単ロール液体急冷法により作製されたNi-Zr非晶質合金(Ni:Zr=2:1)ついて中性子回折実験を行った。中性子回折実験はJ-PARC物質・生命科学実験施設に設置されているNOVA全散乱装置を用いて行われた。中性子回折データについて、バックグラウンド、吸収、多重散乱等の補正及び規格化を行いうためのデータ解析プログラムを作成した。この解析プログラムを測定データに適用することで構造因子を得た。また、構造因子をフーリエ変換することにより実空間の情報である2体分布関数を求めた。得られた2体分布関数において、Ni-Ni、Ni-ZrおよびZr-Zr相関に由来するピークが観察された。一方、水素吸蔵装置を設計・製作し、Ni-Zr非晶質合金の重水素化を行った。この重水素化試料についても中性子回折実験を行い、同様のデータ解析により、構造因子および2体分布関数を得た。重水素化試料の2体分布関数には、金属原子と重水素原子の相関に由来するピークが観察された。さらに、ヘリウムガスを利用した乾式密度測定装置を用いて、Ni-Zr非晶質合金およびその重水素化物の真密度を測定した。中性子回折実験で得られた構造因子と密度データをベースにリバースモンテカルロ計算を行い、3次元構造モデルを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非晶質試料作製および水素化が順調に進み、構造モデル解析に必要となる高精度な中性子回折データおよび構造モデルが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた構造モデルに基づき詳細な解析を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計算機やソフトなどの構造モデリングに必要な物品の購入
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