2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560836
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 恵司 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80324713)
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Keywords | 非晶質合金 / ガラス構造 / 中性子回折 |
Research Abstract |
前年度に行ったNi-Zr非晶質合金(Ni:Zr=2:1)の3次元構造モデリングをさらに精密化し、信頼性の高い3次元原子配置を得た。この構造モデルから短・中距離構造に関する詳細な情報を得るために、最少構造ユニットの分割を試みた。ここでは、3次元構造モデルから計算された部分2体分布関数の第1ピーク形状から、各原子相関の最近接原子間距の最大値(Zr-Zr:0.38nm,Zr-Ni:0.37 nm, Ni-Ni:0.35 nm)を見積もり、これらの原子間距離内で構成される構造ユニットについてのみ考慮した。この結果、非晶質構造が主に四面体で構成されており、それらの構成割合は4Zr:1.0 %、3Zr+1Ni:10.8 %、2Zr+2Ni:37.2 %、1Zr+3Ni:39.8 %、4Ni:11.2 %であることが明らかになった。これらの四面体が占有する体積や一個の原子が共有される四面体の数等を整理した結果、各四面体が点共有もしくは線共有で結合していることが示唆される結果が得られた。一方、二十面体に類似した局所構造も少なからず存在していることから、非晶質構造中には高密度領域と低密度領域が存在すると考えられる。
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