2013 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩電析と自己組織化を利用したNb基耐熱合金への高耐酸化コーティングの創製
Project/Area Number |
23560860
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原 基 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50156494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 倫久 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20343064)
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Keywords | 耐酸化コーティング / ニオブ基合金 / ニッケルアルミナイド / 溶融塩電析 / 高温酸化 |
Research Abstract |
平成24年度までの研究より,Ni2Al3層とNi層の2層コーティング試料を高温酸化すると,表面層としてNiAl層が形成され,中間層内層としてNb-Ni化合物(Nb7Ni5,NbNi3)層が形成された。さらに,これらNb-Ni化合物層より内方にAlの拡散が認められないことから,Nb-Ni化合物層がAlの拡散障壁層として作用していることが示唆された。平成25年度には,Ni-Nb化合物層のAlに対する拡散障壁効果を検討するため,これら化合物とNiアルミナイド層(NiAl,Ni3Al)の拡散対を作り,1373Kで拡散挙動を調査した。その結果,Nb-Ni化合物層中にはAlがほとんど拡散せず,これら化合物がAlの拡散障壁層として作用することがわかった。Nb7Ni5とNbNi3を比較すると,Nb7Ni5では反応層がほとんど形成されず,組織的安定性が高いことがわかった。 研究期間全体を通して,以下のことが明かとなった。(1)Niめっきと溶融塩を媒体としたAl電析によりNi2Al3を表面層,Niを中間層とするコーティングが形成された。この場合,Niめっき時間を変えることによりNi層厚さを変えることができた。(2)Ni層厚さを25μm以上にすると,高い耐酸化性を示した。この挙動は,基材合金の組成に影響されなかった。(3)酸化試験後のコーティング形態は,Ni層厚さにより変化した。Ni層厚さの薄い試料では,表面層としてNiAl層,中間層としてNb7Ni5層が生成した。Ni層厚さの厚い試料では,表面層としてNiAl層,中間層としてNi固溶体,NbNi3,Nb7Ni5層が生成した。これより,Ni層が厚い場合,傾斜的組成の中間層で構成されることがわかった。(4)中間層のNi-Nb化合物はAlの拡散障壁層として作用することがわかった。これより,表面層のAl濃度が酸化過程で低減しないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)