2012 Fiscal Year Research-status Report
エピタキシャル成長したビスマス層状構造強誘電体ナノプレートの創製と応用
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23560874
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小舟 正文 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90240960)
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Keywords | 薄膜プロセス |
Research Abstract |
高温スパッタ法により導電性Nb:TiO2(101)(Nb=0.79 mass%とする)基板上にヘテロエピタキシャル成長した厚み3μmのBi3.25Nd0.75Ti3O12 (BNT-0.75)ナノプレートを作製した。作製したナノプレートの表面構造観察を集束イオンビーム(FIB)用走査イオン顕微鏡(SIM)及び電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて行った。断面構造及び格子像は高分解能透過型電子顕微鏡(HR-TEM)を用いて行った。配向性及び超格子構造形成の有無についてはTEMに付帯の制限視野電子回折(SAED)システムにより観察した。また、ナノプレート構造体の強誘電性(P-Eヒステリシス特性)及び圧電性(d33-電界特性)は、それぞれ強誘電体薄膜テストシステム(RT66A)と圧電応答顕微鏡システム(PFM)を用いて行った。以上の研究は研究計画に基づき行い、その結果、下記に示す成果を得た。 (1) 得られたBNTナノプレートはSIM像から[100]/[010]方向に平行に配向し、約100-120 nm厚みと約3 μmの高さを有していた。ナノプレート上部及び下部とNb:TiO2基板のSAEDパターンから 、ヘテロエピタキシャルな関係を維持していることを確認した。また、100/010の超格子構造の形成も確認された。 (2) 強誘電性について上部電極とナノプレート頂上が接触する実面積を用いて測定した室温における残留分極(2Pr)及び抗電界(2Ec)は、それぞれ約48 μC/cm2と約297 kV/cmであった。 (3) 圧電性について室温における圧電定数d33は12 pm/Vであった。 (4) BNTナノプレートがa/b軸配向した単結晶膜であり、そのすぐれた強誘電性と圧電性を世界に先駆けてはじめて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温スパッタ法により作製したBNT-0.75ナノプレートの構造特性(表面、断面、配向性、超格子構造形成の有無)と電気特性(強誘電性、圧電性)を明らかにする点については、所期の研究目的を達成している。また、研究計画通り着実に実験を行い、次年度予定のBNTナノプレート構造体とエポキシ樹脂との複合材料である無機ー有機ナノコンポジットに関する予備実験も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現在までのところ、研究計画通り順調に推移しているので、今後も研究計画に沿って着実に研究成果をあげていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を国内外の学会で発表するため、2件(EM-NANO 2013; 金沢, IMF-13; ポーランド)の国際会議旅費に充てたいと考えている。また、その残額は使用するエポキシ樹脂の購入と論文別刷代に充てたい。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] (Bi,Nd,Eu)4Ti3O12ナノプレートの構造及び電気特性2012
Author(s)
岸本亮, 小舟正文, 樽磨直希, 西岡洋, 菊池丈幸, 中嶋誠二, 藤澤浩訓, 清水勝
Organizer
第29回強誘電体応用会議
Place of Presentation
コープイン京都, 日本
Year and Date
20120523-20120526