2013 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素を燃料化する光捕集分子-人工補酵素-ギ酸脱水素酵素複合体の設計と創製
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23560947
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
天尾 豊 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 教授 (80300961)
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Keywords | 人工光合成 / 二酸化炭素還元 / 人工補酵素 / ソーラー燃料生成 / 酵素反応速度論 |
Research Abstract |
平成23・24年度の研究成果を基盤として平成25年度は二酸化炭素-ギ酸変換反応を触媒するギ酸脱水素酵素に有効なビオローゲン骨格を持つ人工補酵素の設計と合成を引き続き進めた。さらに、合成した人工補酵素とギ酸脱水素酵素との間の相互作用に関して酵素反応速度論的な解析を進め、人工補酵素として用いているメチルビオローゲンが天然の補酵素であるNADHよりもギ酸脱水素酵素に有効に作用し、二酸化炭素-ギ酸変換反応速度を加速させていることを見出した。加えて、これまで未知であった人工補酵素であるメチルビオローゲンの還元体とギ酸脱水素酵素との間の相互作用を酵素反応論的解析し、反応速度等の速度パラメーターを明らかにすることができた.さらにビオローゲン骨格に陽イオン性置換基を導入することでさらにメチルビオローゲンを用いるよりも反応速度で約5倍程度向上させることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は平成25年4月に大分大学工学部応用化学科から大阪市立大学複合先端研究機構に異動し、研究・実験設備の整備・機器移設等に予定以上の時間を要したが、人工補酵素であるメチルビオローゲンの還元体とギ酸脱水素酵素との間の相互作用を酵素反応論的解析し、反応速度等の速度パラメーターを明らかにすることができた点は本提案研究を進めるにあたって極めて重要な成果であるため概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は平成25年4月に大分大学工学部応用化学科から大阪市立大学複合先端研究機構に異動し、研究・実験設備の整備・機器移設等に予定以上の時間を要したため、十分な研究成果を達成できなかったため、研究実施要項は変更しないものの、補助事業期間を1年延長した。平成25年までに蓄積されたデータをもとに、光エネルギーを用いた二酸化炭素からギ酸への変換可能な分子構築を達成し、研究を総括するとともに、内外の関連学会・学術雑誌に積極的に公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者は平成25年4月に大分大学工学部応用化学科から大阪市立大学複合先端研究機構に異動し、研究・実験設備の整備・機器移設等に予定以上の時間を要したため、平成25年度末までに研究を終了することができなかったため補助事業期間を1年延長した。以上の理由から次年度使用額が生じた。 平成25年度までの残金も含めて、研究実施事項を変更せず,物品費457,274円を試薬・ガラス器具・酵素類購入に、旅費265,930円を国内外の学会発表、調査研究旅費に、人件費・謝金294,700円を研究補助の謝金に、その他138,750円を論文掲載費等にそれぞれ充当する。
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Research Products
(15 results)