2013 Fiscal Year Annual Research Report
硬化した高炉水砕スラグの破壊・自己修復能力の定量化
Project/Area Number |
23560993
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松田 博 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50136131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石藏 良平 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90510222)
原 弘行 山口大学, 理工学研究科, 助教 (00588709)
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Keywords | 高炉水砕スラグ / 潜在水硬性 / せん断強さ |
Research Abstract |
高炉水砕スラグを地盤材料として適用し,地盤が硬化した場合,地盤が硬化後も粒子内には未水和反応部が残存するとの予測のもと,地盤が初期硬化後に地震などによって負荷を受け,地盤内に破断面等が生じた場合においても,破断部においては粒子破砕等によって,粒子間接点が生じ,一定期間放置後に新たな未水和反応部からのカルシウムイオンの流出により,再硬化(自己修復)する可能性がある.そこで,本研究では一度硬化した水砕スラグを解砕~再養生し水和反応率と強度の関係を実験的に調べ,自己修復能力を定量的に評価した.さらに,得られた一連の試験結果から,養生環境,養生温度,破壊履歴の有無を考慮した高炉水砕スラグの強度予測に資する実験式を提案した.得られた主な結論は以下のとおりである. 水和反応率には強度発現に対する閾値が存在し,それ以上の値を示したときに自重に耐えて自立すること,養生環境が異なると水和物の生成量やその強度への寄与率に差異があることがわかった. 未水和スラグと自然環境下において著しく硬化した施工後11年経過した盛土スラグを用いて自己修復能力について定量的に評価を行った.その結果,水和反応は硬化履歴に依らず一様に進行することから,解砕履歴が水和反応の進行に及ぼす影響は小さいこと,硬化期間が長期にわたると水和物によるセメンテーション効果が発揮されにくいこと,さらに,硬化履歴を有する水砕スラグの自己修復能力は未水和スラグと比較し,6割程度であることが明らかとなった. さらに,水和反応率と時間との関係,一軸圧縮強さと水和反応率の関係を評価する式を見出し,これらの式から,一軸圧縮強さと養生時間の関係,および硬化した水砕スラグの自己修復能力を表す式を見出した.
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