2013 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブル・イン・コンジット導体への捩り付加による超伝導特性改善の原理実証
Project/Area Number |
23561004
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
今川 信作 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (10232604)
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Keywords | 超伝導 / ねじりひずみ / ケーブル・イン・コンジット導体 / ボイド率 / ひずみゲージ |
Research Abstract |
冷却チャンネルを模擬する直径6 mmのステンレス管を中心に配置し,その回りに3本撚り×4の撚線6セットを0.2 m程度のピッチで巻き付けてコンジットに挿入する方法でケーブル・イン・コンジット模擬導体を製作した。コンジット材には10A-Sch40と10A-Sch10Sの2種類のステンレス配管を用意し,各々,超伝導素線を模擬する線径0.90 mmと1.00 mmの銅線を撚り合わせた撚線を40%以下のボイド率(断面内の空隙の割合)となるように挿入する計画であったが,撚り線によって外径が拡大したため,この組合せではどうしても挿入することができなかった。そこで,ボイド率が50%に拡大することを許容して,線径0.90 mmの銅線と10A-Sch10S配管の組合せで模擬導体を製作した。2つの3本撚りの1本ずつには,線径0.18 mm(ホルマール絶縁線径0.211 mm)のマンガニン線を長さ0.5 mで折り返して14本束ねることにより 120オーム程度の抵抗値を確保した模擬線材を用いた。また,1つの3本撚りについては,2本の銅線の中央付近にひずみゲージを貼り付け,そのリード線と2本の銅線を撚り合わせた。コンジット端部には捩り荷重を加えるためのフランジを取り付け,また,コンジットと撚線が長さ方向に滑らないように,端部は撚線を樹脂で埋めてジャケットに固定した。 この模擬導体のコンジット端部フランジの片端を固定し,もう片方のフランジに回転および長手方向の圧縮・引張荷重を制御できるような拘束治具を製作し,コンジット長手方向に弾性範囲内で圧縮と引張荷重を加える場合と,コンジット端部フランジの片側を回転させることによりコンジットに捩りを加える場合の2通りについて,ひずみゲージと撚線抵抗値の変化を調べた。その結果,素線のひずみはコンジットの主ひずみの1/10程度に緩和されることが分かった。
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