2012 Fiscal Year Research-status Report
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23570103
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50332482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 秀紀 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30249908)
山田 一孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (80292093)
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Keywords | アザラシ / ネズミイルカ / CT / 機能形態 |
Research Abstract |
平成24年度は、海棲哺乳類のうち昨年度行えなかったゼニガタアザラシ前肢の可動域とネズミイルカ前肢の可動域を、CTスキャナーを用いて撮影し、得られた画像を三次元立体構築して考察をおこなった。 ゼニガタアザラシ前肢のCT画像解析では、非破壊的に前肢骨格の可動状態を観察する事が出来、体幹に埋まっている肩関節や肘関節の屈曲、伸張、そして前腕の回内が観察された。このCT画像解析において肩関節や肘関節は90度以上に伸展しないことが明らかになった。また、今回ゼニガタアザラシの前肢は手根から肩甲骨にかけて体幹を覆う皮膚に埋まっているが、水中や陸上での多様な運動機能を発揮するために必要と考えられる多くの筋を発達させていることが明らかになった。ゼニガタアザラシの前肢は水中への適応により一部が体部の皮膚に埋まり、関節の可動域が制限されているが、陸上での多岐にわたる利用を保つために可動性が残されていると考えられる。 さらにネズミイルカ前肢のCT画像解析では、前肢の動きは肩甲骨の移動をほとんど伴わないで肩甲骨と上腕骨の間の肩関節の可動によってもたらされることが明らかになった。また, 上腕骨と橈骨および尺骨の間の肘関節の可動性はほとんど認められず, さらに橈骨と尺骨の位置の変化によっておこる前腕の回内, 回外といった回旋運動も確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では、平成23年度に行えなかったゼニガタアザラシ前肢のCT画像解析を行ったが、平成24年度に予定していたネズミイルカ前肢のCT画像解析に影響を与えることなく実験を進めることができた。結果、これまでの2年間でゼニガタアザラシとネズミイルカのCT画像解析はある程度の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、ゼニガタアザラシ、ネズミイルカに加えて、予定通りにホッキョクグマとラッコの骨格可動域のCT画像解析を行う予定でいる。ホッキョクグマでは後肢の可動域を中心に観察し、ラッコでは体の体軸の捻りの可動性を中心に解析する。また、最終年度であることから、得られた結果を学会や学術論文にて発表していく予定でいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Structure and Steroidogenesis of the Placenta in the Antarctic Minke Whale (Balaenoptera bonaerensis)2013
Author(s)
Motoki SASAKI, Yoko AMANO, Daisuke HAYAKAWA, Toshio TSUBOTA, Hajime ISHIKAWA, Toshihiro MOGOE, Seiji OHSUMI, Masafumi TETSUKA, Akio MIYAMOTO, Yutaka FUKUI, Teguh BUDIPITOJO, Nobuo KITAMURA
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Journal Title
Journal of Reproduction and Development
Volume: 59
Pages: 159-167
Peer Reviewed