2013 Fiscal Year Annual Research Report
PASドメインタンパク質の相互作用多様化機構の解析
Project/Area Number |
23570194
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (40332770)
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Keywords | 情報伝達 / 光受容 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
前年度までに明らかにできたPYPの相互作用部位は、PASドメイン構造の中において、補欠分子の選択性や、相互作用部位としての報告例もある部位であり、この領域とその構造変化様式が、PASドメインの多様な機能を生む領域であると考えられた。そこで本年度は、相互作用を示すPYPにおいて相互作用のON/OFFを誘起する構造変化が、PASドメイン中で共通に駆動するのかを検証するため、X線結晶構造解析を行った。その結果、結晶の晶出に用いた添加剤が、PYP分子に結合した状態の結晶構造を得ることに成功した。結晶分光や、X線溶液散乱測定などの結果から、この構造は、反応中間体の構造を模しているものと考えられた。この結晶構造からは、前年度に決定した相互作用残基の近傍の分子表面に溝が新たに形成されており、この部位に相互作用のON/OFFを誘起している機構が考えられた。このような相互作用部位は、PASドメインの補欠分子の結合で、多く実現されているものと考えられ、PASドメインの共通の作用機構であると考えられる。さらに、PYPの構造変化に関するキメラ変異体の解析の結果から、構造変化を制御している要因の一部が、分子内部の活性部位から離れた、分子表面の荷電残基であることも明らかにできた。このような、表面電荷の配置などを制御することで、PASドメインタンパク質が多様性を獲得していることが考えられる。
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Research Products
(6 results)