2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23570254
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉岡 秀文 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40191548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 恵 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20243347)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 性分化 / 性決定遺伝子 / DMRT1 / HINTW / HINTZ / 生殖腺 / ニワトリ胚 / 生殖腺予定領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリのオス化の性決定遺伝子はDMRT1であるという知見が2009年にCraig Smithらによってnature誌に報告されているが、DMRT1はZ性染色体上に存在し、メスでもオスの半分程度のmRNAの発現は検出される。なぜメスではDMRT1mRNAの発現が機能しないのか。その疑問を解くために DMRT1蛋白質の発現を特異抗体を用いて免疫組織化学染色やウエスタンブロッティングにより、調べた。オスのDMRT1mRNAは5日胚、7日胚、10日胚にわたり漸次的に増加していくが、メスでもオスの半分の発現が同様に増加していく。このことはZ染色体1本あたりのDMRT1mRNA発現量は変わっていないことを示す。それに対して、ウエスタンブロッティングや免疫組織化学染色で検出すると、メスでのDMRT1タンパク質はメスでは全く増加していないことがわかった。メス特異的に翻訳を阻害する機構があることを示す。 時間的に空間的にDMRT1より早く発現しているHINTZ,HINTWに着目した。HINTZを2日胚雌の生殖腺予定領域に強制発現させた。8日胚の生殖腺を固定し、各種遺伝子マーカーの発現を解析した。HINTZを雌生殖腺全体に強制発現させても、髄質のみでDMRT1mRNAが誘導を受けた。蛋白レベルでも同様な誘導が受けるかは 現在解析中である。予備的な実験では誘導を受ける結果を得ている。雄のマーカ遺伝子であるSox9mRNAもAMHmRNAもHINTZ遺伝子により誘導をうける。以上のことは 雄の性決定遺伝子として報告されているDMRT1の上流にHINTZ遺伝子が存在することを示唆する。HINTWsiRNAを雌生殖腺に強制発現させることにより、DMRT1が誘導することを予測して実験を行ったが、結果的には誘導は検出できなかった。雌のマーカ遺伝子であるAromataseは逆に阻害された。
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