2014 Fiscal Year Research-status Report
始原的新口動物Hox/ParaHox遺伝子群の包括的研究
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23570266
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
生田 哲朗 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋生物多様性研究分野, 技術研究員 (80584846)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム / 新口動物 / 進化 / 転写因子 / BAC / 次世代シークエンサー / 遺伝子発現解析 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は本研究の目的である、始原的歩帯動物におけるHox/ParaHox遺伝子の発現、構造、機能の包括的理解へ向け、以下の研究を行った。 1.ニッポンウミシダ(Oxycomonthus japonicas)ParaHox遺伝子群のクラスター構造の解析:ニッポンウミシダゲノムBACライブラリーのスクリーニングを行ない、Gsx, Xlox, Cdxの3つのParaHox遺伝子を含むクローンを同定した。スクリーニングから、ニッポンウミシダにおけるParaHox遺伝子クラスターの保存性について興味深い結果が得られた。さらにクラスター構造の詳細を解析するため、同定されたBACクローンについて、IonPGM次世代シークエンサーによる全長解読を行なった。しかし、多くの繰り返し配列のため完全長のアセンブルには至らず、現在Gap-filling作業中であり、クラスターの規模や遺伝子の配置・向きなどは今後の課題となった。 2.ニッポンウミシダParaHox遺伝子群の発現解析:遺伝子発現の定量的解析のため、幾つかの代表的発生段階の胚からtotalRNAを抽出し、qPCR解析を開始したが、遺伝子構造の把握とプライマー設計の検討に時間を要しており、最終的な結果は得られていない。また、前年度に引き続きwhole mount in situハイブリダイゼーション(WISH)による解析を進めた。しかし、卵膜除去胚の正常発生は確認できず、ふ化前の胚におけるWISH法の確立とそれを用いた解析には至らなかった。さらに、多光子レーザー顕微鏡による蛍光深部観察を利用して発現部位の重複関係を把握することを目指し、サンプルの透明化の手法について条件検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウミシダParaHox遺伝子群の構造・発現解析に予想外に時間を要しており、半索動物におけるHox/ParaHox遺伝子群の機能解析に取りかかれていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた半索動物Hox/ParaHox遺伝子群の機能解析の実施は見合わせ、平成27年度も引き続きニッポンウミシダParaHox遺伝子に関する研究を集中的に進める。BACクローンの全長解読を急ぎ、クラスター構造の詳細を明らかにする。遺伝子発現に関しては、必要最低限のデータに絞り、少なくともクラスター構造と遺伝子発現に関する解析結果をまとめた論文作成に取りかかりたい。
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Causes of Carryover |
予定していたBACクローンの全長解読や遺伝子発現解析等がやや遅れており、解析に必要な試薬・消耗品類の購入が先延ばしとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
BACクローンの全長解読、遺伝子発現解析に必要な試薬、消耗品、機器類を購入する。
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