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2012 Fiscal Year Research-status Report

ホウレンソウにおける性決定遺伝子コード候補領域の絞り込み

Research Project

Project/Area Number 23580001
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

小野寺 康之  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80374619)

Keywords雌雄異株 / 性決定遺伝子 / 性染色体
Research Abstract

ホウレンソウの雄性決定遺伝子を含む染色体領域の減数分裂時の組換え抑制について検証するために,1000個体以上の分離集団を用いて雄性決定遺伝子と6個の性連鎖SCARマーカーとの間における組換え頻度を調査した.その結果,当該遺伝子とマーカーとの間の組換え型個体は見出されなかった.さらに,世界各地から収集されたホウレンソウ遺伝資源および品種(合計30アクセションおよび4品種)においても,雄性決定遺伝子は前述の性連鎖SCARマーカーと強固に連関していることを確認した.
雄特異性が示された6個のSCARマーカー(雄特異的マーカー)を用いて,選抜されたBACクローン(合計25)の中から,7個を選んで(総全長600Kbp)の塩基配列を決定した.その結果,この領域からレトロエレメント様配列が頻繁に見出されることが判った.その頻度はホウレンソウと近縁の両性花植物であるテンサイのゲノムと比べて,ホウレンソウ雄特異的ゲノム領域の方がおよそ3倍高い.さらに,雄特異的領域は,約70%が内部重複している配列に占められており,高コピー配列と低コピー配列がモザイク状に並んでいることも判明した.一方,ホウレンソウ雄特異的ゲノム領域の遺伝子密度は1gene/74.9kbpと見積もられたが,この値はホウレンソウの1.3倍のゲノムサイズを有するテンサイの平均遺伝子密度(1gene/11kbp)と比べて極めて低い.レトロエレメント様配列および反復配列に富んでいることや遺伝子密度が低いという特徴は,これまでにも多くの動植物の性染色体(YもしくはW)における雄もしくは雌特異的領域から見出されている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度に今後の方針として掲げた以下の点を達成することができたので、「おおむね順調に進展している」という評価を与えた。
→ホウレンソウの雄性決定遺伝子座周辺の染色体領域の減数分裂時における組換えが完全に抑制されていることを示すデータを揃えられたこと
→当該領域のうち約600kbpの領域の塩基配列を決定し,この領域を塩基配列レベルで詳細に特徴づけることに成功した

Strategy for Future Research Activity

1 雄特異的AFLPマーカーの開発と雄特異的BACクローンの単離を行い,最終的には雄特異的領域をカバーするBACコンティグの構築を行う.
2 ホウレンソウと同じアカザ科のテンサイのゲノム情報(高密度EST-SNPマーカー連鎖地図およびドラフトゲノム配列)を利用して,間性遺伝子に近接する分子マーカーの開発を行う.さらに、これらのマーカーを活用して間性遺伝子座をカバーするBACコンティグの構築を行う.
3 間性遺伝子座乗領域の精密マッピングを行うとともに,間性決定遺伝子コード候補領域を推定する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ホウレンソウのY染色体における雄特異的AFLPマーカーの新規開発,BACクローン選抜およびコンティグ作成に必要な消耗品購入費に充てる.
さらに,研究補助員への謝金、研究報告旅費および投稿論文校閲費にも研究費を充てることを予定している.

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] ホウレンソウにおける雄特異的ゲノム領域の構造解析2013

    • Author(s)
      織田 裕二, 小野寺 康之, 豊田 敦, 山本 将之, 三上 哲夫
    • Organizer
      日本育種学会第123回講演会
    • Place of Presentation
      東京農業大学世田谷キャンパス(東京都)
    • Year and Date
      20130327-20130328
  • [Presentation] ホウレンソウにおける雄性および間性を支配する遺伝子の対立性検定2013

    • Author(s)
      小野寺康之,織田祐二,山本和輝,長谷田茜,藤戸聡史,三上哲夫
    • Organizer
      園芸学会平成25 年度春季大会
    • Place of Presentation
      東京農工大学(東京都)
    • Year and Date
      20130323-20130324
  • [Presentation] ホウレンソウから見出された連鎖関係にある二つの性決定遺伝子座のマッピング2012

    • Author(s)
      織田 祐二, 長谷田 茜, 堀 英朗, 小野寺 康之, 三上 哲夫
    • Organizer
      日本育種学会第122回講演会
    • Place of Presentation
      京都産業大学(京都市)
    • Year and Date
      20120914-20120914

URL: 

Published: 2014-07-24  

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