2015 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ属作物における逸出・雑草化メカニズムの解明
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23580024
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 祐一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50322368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 謙太郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00549032)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | アブラナ属 / 作物雑草化 / DNAマーカー / 植生動態 / 分布 / 侵略性 |
Outline of Annual Research Achievements |
「アブラナ属作物品種の逸出地点の特定」として、平成26年3月に中国地方の13河川と近畿地方の2河川から採集した植物体の一部からDNAを抽出し、開発したDNAマーカーを用いて種を同定した。これにより、西日本の一級水系におけるアブラナ属の分布はほぼ明らかとなった。ほとんどの河川において、河口からおよそ5~15kmの間の連続する5kmの範囲にアブラナ属植物が生育していたが、分布の密度は河川によって異なっていた。また、種構成も河川によって異なり、例えば近畿地方では、大阪府の周辺にはカラシナの割合が高く、遠くになるにつれてアブラナまたはセイヨウアブラナの割合が高くなる傾向がみとめられた。一方、東日本と北日本においては、2011年3月に発生した東日本大震災の影響もあり調査を延期したことなどにより未調査の水系が多いが、これは本研究課題の発展として平成27年度に新規採択された補助金で実施することとした。また、野外調査では、アブラナ属植物の他に、緑肥作物や緑化用植物として導入されたり、それら有用植物の導入に伴い非意図的に侵入したりして、その後に逸出・定着したと考えられるナヨクサフジ、シロツメクサ、ムラサキツメクサ、オオアワガエリ、外来アサガオ類等の分布情報も得ることができた。 「アブラナ属植物の雑草化のメカニズム」では、大阪府の大和川においてアブラナ属のカラシナが堤防法面と中水敷に生育しており、外来植物を除去する実験の結果から、カラシナは、堤防法面では秋の草刈後に出来た裸地にすばやく侵入して優占しているが、中水敷では在来種を競争によって排除して優占していると考えられた。また、野生系統と栽培系統との比較栽培実験の結果から、アブラナ属植物は、競争環境と攪乱環境で有利に働く性質をあわせもつことによって、河川の様々な環境で生育が可能であると考えられた。
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Remarks |
昨年度の報告で記載しなかったので、ここに記載します。
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Research Products
(2 results)