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2011 Fiscal Year Research-status Report

中山間地の急傾斜農地での栽培に適した新規果樹樹形の開発

Research Project

Project/Area Number 23580044
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

尾形 凡生  高知大学, 自然科学系, 教授 (10177115)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywordsキウイフルーツ / つる性果樹 / 傾斜地 / 整枝 / 剪定 / 中山間地
Research Abstract

傾斜園地において、つる性果樹の主枝配置方向を傾斜面に沿わせて上方に向け、頂芽優勢を適度に保つことによって樹形管理を容易化・効率化することを目指し、まず、キウイフルーツを材料にして栽培の試行と成長観察を実施している。 昨年度に引き続き、枝条先端を上方に誘引する区と水平に伸ばす区の成長比較を行った。枝条の先端を上方に向けた場合、生育期初期の成長は水平誘引区に比べて明らかに促進された。しかし、生育中盤より、成長が急速に鈍化して一部には先端が衰弱して枯死する芯止まりの現象が多発し、この成長鈍化が水平誘引区よりも早期に発生するため、最終的な枝梢伸長量は水平誘引区に比べてさほどは大きくならなかった。先端の急激な衰弱・枯死がエチレン的な成長反応にみえるため、新梢にエチレン生合成阻害剤であるAVGあるいはエチレン発生剤であるエスレルを時期別に散布し、成長反応を調査したところ、AVG処理によって枝伸長が著しく促進され、また、比較的低濃度のエスレル処理によっても急激な伸長停止および先端の枯死が認められた。 固定棚の棚面に枝を乗せればよい水平誘引と異なり、枝先を上方に向けて誘引するとキウイフルーツ新梢が支持物のない状態で空中で風に揺らされることとなり、この状態が上方誘引区の伸長早期鈍化と関係しているものと推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

従来からキウイフルーツの樹冠形成においては、構造枝の育成がむつかしく基部から強い側枝が萌発しやすいことが指摘されてきたが、現時点で、このキウイフルーツの挙動は、枝条が支持物を捕捉ができなかった場合にその枝を速やかに成長停止・枯死させて新しい枝(基部から萌発する新しい側枝)で他の空間を探索しようとする性質の強さによるものであり、この捕捉判定および成長停止にエチレン的反応が大きく関与することが推察された。この仮説については、今後の研究での実証が必要であるが、キウイフルーツ枝条にエチレン的反応を起こさせずに枝梢誘導を行う最適な方法を探索するという課題が明確になり、本研究の最終目標に通じる主方針を提示するに至った。

Strategy for Future Research Activity

キウイフルーツの枝条先端を上方向に誘引して旺盛な樹冠拡大を促すために、エチレン的生育抑制反応を起こさせずに枝先端の支持物捕捉を達成させる栽培施設および資材の選抜を行う。永久構造物である支柱・支線の使用は、枝が絡みつき、その後それらを巻き込んで肥大することを考えれば栽培上不適で、枝先端が巻き付いて取り込みやすいが生育期終了後には毎年新たに張り替えることの可能な紐状の支持線が良い。また、表面の滑らかな素材は捕捉がうまくいかないので、表面に凹凸の多いたとえば麻紐のような資材を用いて、トマトの吊り下げ誘引のような、紐を枝条に巻き付け吊り下げる仕立て方がふさわしいように思われる。この方法は、針金を張り巡らせた水平固定棚より設置が容易でコスト的にも格段に効率的であるため、今後の研究において、本方法の完成を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

備品類は不要である。研究費は実地試験地までの交通費、栽培資材の購入費、およびエチレン分析の消耗品費にあてる。なお、平成23年度の計画に基づいた経費執行について、4・5月に支払いすべき経費が残っているため次年度使用額が存在するように見えるが、実際には28円を残して大半を前年度使用済み分として執行予定である。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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