2013 Fiscal Year Annual Research Report
昭和初期の住宅地開発における地域らしさの継承に資する接道部の緑景観モデルの構築
Project/Area Number |
23580050
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (00326282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00181652)
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50179016)
武田 重昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (10549695)
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Keywords | 景観計画 / 居住環境整備 / 郊外 / 戸建住宅地 / 風景的価値 / 接道部緑化 / 写真投影法 / 居住者意識 |
Research Abstract |
本研究では、昭和初期に欧州の田園都市をモデルとして開発され、接道部にカイヅカイブキを設けることで個性ある地域景観が形成されてきたが、近年の住宅更新に伴って風格や地域らしさの喪失を招いている大美野住宅地(堺市東区)を対象に研究を行った。 昭和40年代から現在にかけて住宅更新に伴う接道部の緑の変化実態を明らかにし、次いで、住宅地の造成過程における接道部の緑の取り扱われ方を建設当時の事業主体の計画書等の文献調査を通じて探った。結果、住宅地の特色としてロータリーを中心とした放射状道路をもうけ、それらを環状道路で結ぶといった街路パターンとともに建設当初から約400㎡以上の敷地規模の設定のみならず20%の低建蔽率、接道部への生垣設置が試みられ、これらの接道部の緑景観は、当時の事業主体による建蔽率制限や生垣設置等の規制を設けたことによって形成されてきたものであることを明らかにした。 さらに、居住歴が30年以上と長く大美野をよく知る居住者と近年住み始めた居住者を対象とした写真投影法を用いた調査を実施し、居住者が評価した大美野らしい景観と居住者が評価する接道部の緑景観の明確化を行った。 当該年度は、過年度の昭和40年代から現在にかけての住宅更新(敷地の細分化と建物更新)と接道部の緑の変化実態の調査結果、居住者に対する写真投影法を用いた風景調査結果を踏まえ、接道部の緑の継承度合いが異なる通り景観を対象に、接道部の緑景観モデルを構築し、昭和初期の住宅地開発における地域らしさの破壊度合いを通り景観の視点から分析し、通り景観を醸成するための景観方策を個々の住宅の課題と個々の住宅が連担して取り組む際の課題についてハード面とソフト面の2側面から探った。
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Research Products
(1 results)