2012 Fiscal Year Research-status Report
多遺伝子座位配列解析による嫌気性グラム陰性桿菌の種の定義
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23580126
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
坂本 光央 独立行政法人理化学研究所, 微生物材料開発室, 協力研究員 (50321766)
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Keywords | Bacteroides / MLSA / dnaJ / gyrB / hsp60 / recA / rpoB / 16S rRNA |
Research Abstract |
本年度は前年度までに決定できなかったBacteroides属以外の分類群についても各ハウスキーピング遺伝子(dnaJ、gyrB、recAおよびrpoBなど)の塩基配列の決定を試みた。しかし、前年度同様にPorphyromonas属とPrevotella属のdnaJおよびrecA遺伝子のPCR増幅、そして塩基配列の決定がうまくいかなかった。 対象菌群において分類学的に問題とされている菌種Porphyromonas crevioricanisとPorphyromonas cansulciについてまず初めに全ゲノム配列の決定(ドラフト)を試みた。DNA-DNA相同性試験などの結果から、P. cansulciは発表の優先権のあるP. crevioricanisの異タイプ異名(heterotypic synonym)であることが明らかとなっており、この結果を支持するように両菌種のゲノム構造は非常に類似していた。現在さらに詳細な解析を行っている。さらに未だ全ゲノム配列が解析されていない菌種(Bacteroides属、Porphyromonas属、Prevotella属の3属から51株を選定)などを中心に全ゲノム配列の決定を試みた。現在、得られたゲノム情報からMulti Locus Sequence Analysis(MLSA)法によるデータ解析の準備を行うとともに、average nucleotide identity(ANI)値を計測するための方法を模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析で得られたゲノム情報を扱うことにまだ慣れておらず、データ解析に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
全ゲノム配列の解析がうまくいっていない菌種などを中心に再度ゲノム解析を行いたいと考えている。また、ANI値を計測するプログラムの開発も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会への不参加および当初予定したように実験が進行しなかったことなどから、次年度使用する研究費が発生した。 当該研究費と次年度(平成25年度)に請求する研究費と合わせて、菌株の全ゲノム配列の決定を中心に計画しており、次世代シークエンサ関連試薬などを算定している。国内旅費は、研究成果の発表(日本細菌学会、日本微生物資源学会などを予定)に充てている。一方、外国旅費は、現在のところ検討中である。また、得られた成果を英文学術論文として公表するために、外国語論文校閲料及び研究成果投稿料を算定している。
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[Journal Article] Parabacteroides chinchillae sp. nov., isolated from chinchilla (Chinchilla lanigera) faeces2013
Author(s)
Kitahara, M., Sakamoto, M., Tsuchida, S., Kawasumi, K., Amao, H., Benno, Y. and Ohkuma, M
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Journal Title
Int. J. Syst. Evol. Microbiol.
Volume: 63
Pages: 3470-3474
DOI
Peer Reviewed
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