2011 Fiscal Year Research-status Report
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23580138
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 教授 (00128357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 陽一 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90295197)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 硫酸転移酵素 |
Research Abstract |
本研究においては、生理機能の不明なオーファン硫酸転移酵素(SULT)の生理機能の解明と生体シグナルの変換・伝達への関与を中心に研究を実施する。標的としては、オーファンSULTと位置づけられているSULT4A1およびSULT7A1に絞り込み、リコンビナント酵素の調製と生化学的な諸性質の検討、in situハイブリダイゼーションによる組織特異的発現解析、X線結晶構造解析による構造解析とドッキングモデルからのシミュレーションによる基質分子の予測、培養細胞における機能解析などを中心に研究を実施している。 SULT4A1に関しては、生体内(in vivo)で生理機能を担っていることを確かめるべく、ゼブラフィッシュを用いたモルフォリノアンチセンスオリゴ(MO)による遺伝子機能阻害実験(ノックダウン)実験を行った。その結果、受精後26時間後のゼブラフィッシュの胚(26hpfモルファント)において前脳、中脳、後脳の形態的異常がみられた。また、マウス脳total RNAを用いたRT-PCRにより硫酸転移酵素の発現を網羅的に確認した。SULT4A1は脳に特異的に発現しており、ラットにおいて前脳、中脳、後脳でのSULT4A1の存在が確認されていることから、マウス脳においてもSULT4A1が機能していることが示唆された。 SULT7A1に関しては、これまでの研究で生体内における情報伝達分子である生理活性脂質プロスタグランジン類を特異的に硫酸化するユニークな機能を持つことを見出している。また、この酵素は、小腸上皮細胞に特異的に発現することが、これまでの研究から明らかとなった。現在、組換えSULT7A1を用いてプロスタグランジンを硫酸化し、その生成物の化学構造について、質量分析装置を用いて同定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生理機能の不明なオーファン硫酸転移酵素(SULT)の生理機能の解明が一部達成されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
SULT4A1は、哺乳動物から魚類まで幅広い生物種で発現が確認されている。マウスSULT4A1の生理機能解明に関して、in vivo遺伝子機能阻害試験を行ったゼブラフィッシュをモデルとして、受精から10日までの期間における胎児期から稚魚期において行動学的な観点から解析を進める。また、ノックダウン個体のプロテオーム解析を実施し、タンパク質発現レベルでの影響から、SULT4A1の生理機能解明につながる知見を見出す。 マウスSULT7A1の機能解明に関しては、細胞レベルで解析するために、種々の培養細胞にてSULT7A1を強発現しその影響を検討する。細胞としては、プロスタグランジン産生細胞やプロスタグランジンの標的となる細胞由来の細胞株を用いる。解析には、培養細胞にリポフェクション法で哺乳動物発現用ベクターにサブクローニングしたSULT7A1を導入し、硫酸フリーの培地でプレ培養後[35S]-放射活性硫酸でラベルし、培地中に放出された硫酸化された化合物の解析を行う。 また、23年度の実験で調製されたプロスタグランジン硫酸体の生理機能解明に関しては、プロスタグランジンの標的細胞由来の細胞株に作用させ、その影響を蛍光ディファレンシャルに次元電気泳動を基盤にしたプロテオーム解析によりタンパク質を網羅的に解析することで検討する。種々のプロスタグランジンおよびその硫酸体、さらにその他の生体制御分子およびその硫酸体の影響を生体シグナルの変換・伝達に関連して同様に調べて比較解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費 500,000円旅費 300,000円謝金 100,000円
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Identification and characterization of zebrafish SULT1 ST9, SULT3 ST4, and SULT3 ST52012
Author(s)
Mohammed, Y.I., Kurogi, K., Liu, M.-Y., Sakakibara, Y., Suiko, M., Liu, M.-C.
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Journal Title
Aquat. Toxicol.
Volume: 112-113C
Pages: 11-18
Peer Reviewed
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[Journal Article] Identification, characterization, and ontogenic study of a catechol O-methyltransferase from zebrafish2011
Author(s)
Alazizi, A., Liu, M.-Y., Kurogi, K., Sakakibara, Y., Suiko, M., Liu, M.-C.
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Journal Title
Aquat. Toxicol.
Volume: 102(1-2)
Pages: 18-23
Peer Reviewed
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