2011 Fiscal Year Research-status Report
フラボノイドの生体利用性に及ぼす難消化性糖質、特にペクチンの影響に関する研究
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23580178
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
岩井 邦久 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (80404812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 八江 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (40404818)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フラボノイド / ペクチン / 吸収 / 構造活性相関 / 抗酸化作用 / 代謝 |
Research Abstract |
フラボノイドは抗酸化活性など種々の保健効果が期待されているが、その生体利用性の低さが難点である。我々は、フラボノイドの吸収を検討する中で、ペクチンがケルセチンの吸収を増大させることを見出した。そこで本研究では、ペクチンの吸収増大作用の有益性を明らかにするために、ペクチンによってケルセチンの生理機能が向上するか否か、またペクチンの吸収増大作用を受けるフラボノイドの構造相関性などメカニズムの解明を目的とした。初年度は「ペクチンおよびフラボノイドによる相加・相乗的な保健効果の検討」および「ペクチンによる吸収増大効果を受けるフラボノイドの構造相関性の検討」を行った。保健効果の検討では、生理機能としてケルセチンの抗酸化作用を指標とし、LDLの酸化抵抗性を評価した。まず、ラットLDLの酸化抵抗性評価法を確立し、ケルセチンの酸化抑制作用を確認した。その後、ペクチン含量を変えたケルセチン含有飼料を調製し、これを摂取させたラットのLDLの酸化抵抗性を評価した。その結果、ケルセチン摂取によりLDLの酸化が抑制され、さらにペクチン摂取量に依存してその酸化抵抗性は増強した。吸収増大のフラボノイド構造相関性の検討では、B環水酸基数の異なる5種類のフラボノールの定量法を確立し、セルロースまたはペクチンとともに配合した飼料をラットに摂取させ、血液および尿を採取した。現在、各フラボノイド濃度を定量し、ペクチンによる吸収増大効果の発現を評価中である。本研究は、難消化性糖質の新しい生理機能を示す可能性があると共に、低吸収なフラボノイドの吸収性向上にアプローチするものである。さらに、フラボノイドと難消化性糖質を共に豊富に含む野菜や果物などを摂取した際の生理作用を高める点から、人々の健康増進にも寄与し得ると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラボノイドの生理活性としてLDLの酸化抵抗性を指標とし、その評価法を確立し、実験を行うことができた。この評価法が困難な場合は別の評価法を考えねばならなかったが、予定通り評価可能な方法として確立できたため、ペクチンとケルセチンによる生理活性の相加・相乗効果を評価し、仮定した生理活性の増強を見出すことができたためである。また、生理活性の検討が順調に進捗したため、フラボノイドの構造活性相関を評価するための各種フラボノイドの定量法を確立し、ラットに摂取させ、試料を採取する作業を円滑に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究が順調に進捗していることから、今後の研究も基本的には当初の計画通りに進める予定である。「ペクチンによる吸収増大におけるフラボノイドの構造相関性の検討」では、前年と同様に生体内濃度定量法を確立し、B環水酸基2個を有する各種フラボノイドとセルロースまたはペクチンを配合した飼料を調製し、ラットに摂取させ、採血および採尿を行い、血漿および尿中各フラボノイドおよび代謝物濃度を定量する。各フラボノイドの吸収動態を評価し、ペクチンの影響と構造相関性を解析する。また、平成25年度に評価を行うため、ケルセチン配糖体の定量法を確立する。ペクチン摂取によるフラボノイド吸収増大の機序を明らかにする一環として、「ペクチンによる消化管内挙動の変化の検討」では、ペクチン食摂取ラットに胆管カニューレを施し、ケルセチンおよびルチンを経口投与する。血液, 胆汁および尿を採取し、それらのケルセチン濃度を定量し、その濃度推移からペクチンの影響およびフラボノイドの吸収動態に及ぼす影響を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費1,199,000 (フラボノイド類, 精製飼料, ラット, 酵素, 分析カラム, HPLC消耗品, HPLC溶媒, カテーテル, 手術消耗品, 動物飼育消耗品)旅費 145,000 (学会旅費)人件費 134,000 (実験補助謝礼@670×5時間×40日)その他 22,000 (切手・宅配料, 学会参加費)
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Research Products
(2 results)