2013 Fiscal Year Annual Research Report
フルクトース過剰摂取に起因した脂肪性肝炎と機能性食品成分によるその発症予防
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23580181
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
乾 博 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20193568)
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Keywords | スクロース / フルクトース / 脂肪性肝炎 / 腸内細菌叢 / 肥満 / 機能性食品成分 |
Research Abstract |
スクロースの多量摂取に起因した脂肪性肝炎の発症と腸内細菌叢の変化について検討した。スターチ食(標準食)、高スクロース食、高脂肪食を肥満・2型糖尿病モデルマウスであるKK-Ayマウスに摂取させ8週間飼育し、脂肪性肝炎の発症と腸内細菌叢について調べた。その結果、高スクロース食では高脂肪食と同様に脂肪肝を発症しており、肝臓障害のマーカーであるアラニンアミノトランスフェラーゼの上昇が見られた。盲腸内容物について調べたところ、高スクロース食では高脂肪食とは異なり、重量の減少は見られなかったが、有機酸組成に変化(プロピオン酸、酪酸の減少)は同様に起こっていた。さらに、Real-Time PCR法で盲腸内細菌叢を検討したところ、高脂肪食と同様に高スクロース食でBifidobacteriumの減少が見られた。したがって、スクロースを多量に摂取すると腸内細菌層が好ましくない方向に変化しており、高脂肪食の場合と同様に、脂肪性肝炎の発症に関与している可能性が示された。 次に、高スクロース食摂取によるこのような腸内細菌叢の変化が、フルクトースによるものであることを確認するために、スターチ食(標準食)、高スクロース食、高グルコース食、高フルクトース食をKK-Ayマウスに4週間摂取させ、影響を調べた。その結果、盲腸内の有機酸組成を見ると、高フルクトース食では高スクロース食同様にプロピオン酸、酪酸ともに減少していたが、高グルコース食では減少が見られたのはプロピオン酸だけであった。また、Bifidobacteriumの減少も高フルクトース食では見られたが、高グルコース食では観察されなかった。したがって、フルクトースの過剰な摂取が腸内細菌叢の変化を起こし、脂肪性肝炎の原因の1つとなっていることが明らかとなった。
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[Journal Article] Hydrolyzable tannins in the leaf extract of Eucalyptus globules suppress fructose absorption in the Caco-2 cell line2013
Author(s)
Sugimoto K, Kanako Y, Amako M, Yoshimura M, Amakura Y, Harada N, Yamaji R, Fujita T, Nakagawa K, Harashi S, Inui H
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Journal Title
Annals of Nutrition and Metabolism
Volume: 63
Pages: 1628-1629