2013 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブのトリテルペノイド合成をとりまく耐塩性制御ネットワークの解明
Project/Area Number |
23580211
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
屋 宏典 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10177165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 公典 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (50347134)
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Keywords | 耐塩性 / マングローブ / トリテルペノイド / 遺伝子発現 / プロファイリング |
Research Abstract |
本年度は沖縄産のマングローブでも比較的耐塩性が高いヤエヤマヒルギの苗木を塩処理し、1、3、6、30日後のmRNA発現変化をギガシーケンサーにより計測し、塩ストレス負荷後の遺伝子発現のプロファイリングを行った。発現遺伝子の機能については24年度の成果に基づいた。テルペンをとりまく以下の脂質代謝経路に焦点を絞り解析した。ステロール代謝系においては塩分負荷により、メバロン酸経路の律速酵素であるHMG-CoA reductaseを始めとしてオキシドスクワレンに至る初期反応に係る酵素遺伝子の発現が3日目に上昇し、以降30日目に向けて低下していく傾向にあった。リン脂質及び中性脂肪合成についてもこれと類似した傾向が認められた。トリテルペノイド合成酵素及び植物ステロール合成酵素は、発現量はすくないものの30日後に高い傾向が認められた。マングリン、DREB1(dehydration-responsive element-binding protein)は1日目に急激に増加し、その後は減少した。一連の抗酸化酵素群(GPX、APX、SOD、GR、MDHR)は概して3日後に増加し、その後減少していく傾向にあった。浸透圧調節物質であるグリシンベタインやプロリン合成にかかる当該遺伝子がヤエヤマヒルギでは特定されておらず、塩ストレス負荷後の変動は解析できなかった。今後は、個々の遺伝子(コンティグ)についてより詳細な解析を行い、リアルタイムPCR法による追認を試みる計画である。
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