2012 Fiscal Year Research-status Report
小型航空レーザ計測システムを用いた水稲植被率推定モデルの改良化
Project/Area Number |
23580361
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 一義 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (00332651)
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Keywords | リモートセンシング / レーザスキャナ / 生育診断 / UAV |
Research Abstract |
水稲植被率を水稲上方からのレーザスキャナ計測より測定するモデルの改良に向けた基礎データ収集を目的として,小型航空プラットフォームの開発ならびに観測実験データの取得に取り組んだ。小型航空プラットフォームに搭載するレーザスキャナは,航空機のペイロードの制約から小型・軽量化の製品をお選択した。しかし,レーザ光の出力性能の制約から日中におけるレーザスキャン性能が当初計画に達せず,超低空からの低速度での飛行実験を余儀なくされた。 このため,当初計画した「ヘリコプタタイプの機体」では,飛行時に計測対象の水稲をかき乱す可能性が大きくなった。また,飛行時の機体安定性が低下し,計測時のレーザスキャナの振動低減が難しい状況になった。そこで,同程度のペイロードをもつ軽量機体を用いた航空レーザ計測システムを開発した。開発した小型航空プラットフォームでは,機体にマルチコプターを採用し,当初のヘリコプタタイプにくらべ小型・軽量化が進んだ。これにより,超低空の低速飛行時においてもレーザスキャナの振動低減がはかれるものと期待される。 一方,観測実験については,地上実験ベースで基礎データの取得を進めた。模擬圃場内の水稲から,約2m上空の位置にレーザスキャナを水平移動させるレールを設置し,鉛直と斜めの2つの方向(レーザ照射面角度)から水稲のレーザスキャナデータを取得した。ポット栽培した水稲を用いたこと,計測時期が通常よりも遅かったことから予定したように水稲が大きくならなかったものの,生育初期のように,水稲が小さい状態(植被率20%程度)では鉛直計測よりも斜め計測が高い植被率計測性能をもつことを示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラジコンヘリコプタを用いた小型無人航空プラットフォームからのレーザスキャナ計測の実施を予定していたが,日中のレーザ到達距離が当初計画よりも短く,飛行高度を低くする必要が出た。これにより超低空を低速飛行することになり,ヘリコプタが吹き付ける風により計測対象の水稲がかき乱される可能性が大きくなった。より小型・軽量化した飛行プラットフォームの整備のため,飛行実験データの取得が予定よりも進展しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
小型・軽量化した飛行プラットフォームによる飛行実験と並行して地上実験を実施し,水稲の生育度測定モデルの改良に必要な実験データの取得の確実性を向上させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マルチロータタイプの航空計測プラットフォームの機体部品などの消耗品の購入。
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Research Products
(9 results)