2013 Fiscal Year Annual Research Report
p57KIP2による脂溶性ビタミンの生理活性制御機構の解明と応用研究
Project/Area Number |
23590153
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
高橋 勝彦 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (80307066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 正彦 星薬科大学, 薬学部, 助教 (40507670)
高橋 典子 星薬科大学, 薬学部, 教授 (50277696)
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Keywords | 脂溶性ビタミン / 骨代謝 / 胎盤 / 細胞周期 / アミノ酸トランスポーター |
Research Abstract |
申請者らは、細胞周期制御蛋白質であるp57Kip2は、遺伝子欠損により個体発生時の骨形成と胎盤形成に異常を呈したことから、p57Kip2はビタミンDや長鎖不飽和脂肪酸などの脂溶性生理活性物質の受容体である各種核内受容体タンパク質の機能制御にも関与することを仮定し本研究計画を立案した。 特に胎児期の骨の形成に顕著に影響していたことから、脂溶性ビタミンであるビタミンD3の受容体VDRへの関与に着目し検討を進めてきた。p57Kip2はVDRとの結合能を示し、ビタミンDによるVDRの転写因子としての作用を更に活性化する事が示された。p57欠損マウスで認められた表現型のうち骨形成に関する異常を、p57-VDRの相互作用の存在から説明できる様になった。更に、脂溶性ビタミンのうちビタミンAにも着目し、その生理活性体であるレチノイン酸と特異的核内受容体RARへの関与についても検討を試みたが、VDRとは異なり複合体形成は認められなかった。レチノイン酸処理によるプロテインキナーゼA(PKA)の活性化をp57Kip2が制御することが示唆され、レチノイン酸の作用に対するp57Kip2の関与も考えられた。 また正常の胎盤形成では胎盤細胞同士の融合による多核化の進行が認められる。この細胞融合は、細胞表面タンパク質のうちシンシチンとその受容体分子であるASCT2との結合による。細胞膜糖タンパク質であるACST2は、今回の申請者らの検討からp57による細胞内レベル及び細胞内挙動の制御を受ける事が示唆された。今後、p57Kip2によるASCT2の機能制御の機序に焦点をあてて解析を進めていく。
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