2013 Fiscal Year Annual Research Report
酵素を利用したサリン等の神経剤分解法の開発と汚染除去法に関する研究
Project/Area Number |
23590163
|
Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
大森 毅 科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (70356195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 一芳 関東学院大学, 理工学部, 教授 (20195126)
|
Keywords | 有機リン系化合物 / 神経ガス / 有機リン分解酵素 / Sphingobium / 固定化酵素 |
Research Abstract |
前年度までに作成した遺伝子変異を導入したOPH、すなわち136Leu、254Tyrおよび257Hisの3箇所のアミノ酸を置換したOPH、KGU0094(野生株 136Leu、254Tyr、 257His)、KGU0094m(Leu136Tyr)、KGU0211(Leu136Asp)、KGU0225(His257Leu)、KGU0227(Tyr254His)、KGU0245(Tyr254Arg、His257Leu)の有機リン系化合物分解活性の特性および要求する二価イオンについて調べた結果、10mM Co2+存在下におけるKGU0227(Tyr254His)が最も高い活性を示したため、KGU0227遺伝子にHis-Tag配列を付加した酵素を作成した。発現させた酵素タンパクをニッケルカラムに吸着させ、不要なタンパク成分を洗浄したものを固定化酵素とした(固定化酵素I)。続いてニッケルカラムを用いて酵素タンパクを精製し、得られた精製酵素をCNBr活性化Sepharose4Bと反応させて固定化酵素を作成した(固定化酵素II)。さらに精製酵素を多孔質シリカに酵素を固定して固定化酵素を作成した(固定化酵素III)。これらの固定化酵素を用いて酵素活性を測定したところ、パラオキソン分解活性は、固定化酵素IおよびIIIにおいては遊離酵素と同程度の高い活性を維持できていたのに対して、固定化酵素IIは活性が大きく減弱していることが明らかとなった。また、神経剤分解活性については固定化酵素IおよびIIについてはパラオキソン分解活性と同様の傾向が見られたが、固定化酵素IIIは神経剤のシリカ担体への吸着が起きていることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)