2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナルと代謝物リガンドによる核内受容体活性制御
Project/Area Number |
23590324
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
白木 琢磨 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (10311747)
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Keywords | 転写活性化キネティクス / 多重レポーター遺伝子 / ポリユビキチン化 / 核外排出抑制 |
Research Abstract |
セロトニン細胞内代謝産物が、核内受容体PPARγのリガンドとして作用するということと、膜結合型受容体からのリン酸化シグナルがPPARγの転写活性を抑制するという発見に基づき、シグナル伝達による抑制と代謝物リガンドによる活性化の2重の制御の分子機構の解明を行った。 膜結合型受容体からのシグナル伝達による転写調節とリガンドによる核内受容体の活性化視覚化するために、CFP/YFP/RFPの3色の蛍光タンパク質をポリシストロニックに発現するレポーター遺伝子を構築し、2色の組み合わせにより6種類のレポーター遺伝子(CC, YY, RR, CY, CR, YR)を作成することに成功した。これにより、6種類の異なるプロモーターの活性化キネティクスを同じ視野で観察することが出来るようになった。さらに、CFP/YFP/RFPに核移行シグナル、核外排出シグナルを付加することで、さらに多くのレポター遺伝子を同一視野で見分けることに成功した。 細胞内におけるPPARγタンパク質の挙動を視覚化して、細胞内シグナル伝達による転写制御機構を解析した結果、リン酸化の有無による抑制と活性化の制御という申請時の予想とは異なり、抑制も活性化もリン酸化により引き起こされ、Pin1が作用すると抑制、SDP-1が作用すると活性化が引き起こされることがわかった。SDP-1による活性化機構を解析した結果、リン酸化により誘導されたポリユビキチン化されたPPARγタンパク質が、SDP-1依存性に核外排出抑制を受け、その結果核内に蓄積することが明らかとなった。したがって、リン酸化シグナルは直接PPARγの転写活性に連動するものではなく、共役する因子の組み合わせにより異なるということが明らかとなった。現在、これら共役因子の構造解析をすすめており、PPARγのリガンド非依存性の転写活性を制御する新しい創薬への展開が期待される。
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Research Products
(7 results)