2012 Fiscal Year Research-status Report
チンパンジーとヒトのFOXP2転写因子の脳内標的の異同の解析
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23590383
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
及川 恒之 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80150241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 健史 北海道医療大学, 心理科学部, 助教 (60583903)
太田 亨 北海道医療大学, 個体差健康科学研究所, 准教授 (10223835)
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Keywords | 言語関連遺伝子 |
Research Abstract |
FOXP2は言語関連遺伝子として注目を浴びており、その変異は特異的言語障害を起こす。転写因子であるFOXP2のターゲットを同定することは、言語障害の診断ばかりでなく、ヒトの言語の進化を考察するうえで非常に有用である。 そこで我々は、ヒト、チンパンジー、ヒトisoform特異的FOXP2遺伝子のTET ON/OFFプロモーター下流に挿入されたtransgeneをFlip in recombinazeで、Hek293由来細胞株に導入した。これらの操作は、すべての生物学的backgroundを同一にし、それぞれのtransgeneをONにした場合に、変化をきたす遺伝子群をスクリーニングするためである。Affymetrics社製GeneChip Human Gene 1.0 ST Arrayに4種のtransgeneのON/OFF 3サンプルづつハイブリし、変化のある遺伝子群を選出した。 次にneuronとgliaに分化能のある、GOTO細胞にヒト、チンパンジー、ヒトisoform特異的FOXP2遺伝子の発現ベクターを安定的にゲノムに挿入した。 これらの細胞群は、ランダムなゲノム領域に挿入されているが、multipleなコロニーを拾い上げ、そのRNAを抽出しマイクロアレイでスクリーニングにおいて変化のあった遺伝子群が、GOTO細胞で挿入されたFOXP2遺伝子の発現で同様の動きが認められるかreal time PCRで確認した。その結果、マイクロアレイのスクリーニングとGOTO細胞で同じ発現する遺伝子もあれば、反対の発現を示す遺伝子もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロアレイのスクリーニングと、GOTO細胞におけるFOXP2遺伝子発現による影響を受けた遺伝子群は、当然完全に一致するわけではない。その遺伝子発現の違いや機能を一つ一つ吟味しており、相当の時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
TET ON/OFFプロモーター下流に挿入されたtransgeneをFlip in recombinazeで、Hek293由来細胞株に導入した厳格にback groundをそろえた細胞から得られたRNAの変化した群を、今回おこなったGOTO細胞に挿入されたtransgeneされたFOXP2遺伝子により、どう変化するか、real time PCRでさらに多くの遺伝子群を比較する。両者で同様の変化を認めれば、確実にまた神経においても影響を受けていることになり、FOXP2転写因子カスケードに存在する遺伝子といえる。また、データーベースから、それぞれの変化した遺伝子の機能を推測し、言語関連に必要な遺伝子群の機能を推測する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
比較的多数の遺伝子の再現性を確認する必要があり、Real time PCR用のprimer作製と、そのキットが主な消耗品となる。 また、選出された遺伝子のタンパク同士の直接結合による機能が推測される場合、chipアッセイやタンパク検出キットを購入する
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Clinical phenotype and candidate genes for the 5q31.3 microdeletion syndrome2012
Author(s)
Hosoki K, Ohta T, Natsume J, Imai S, Okumura A, Matsui T, Harada N, Bacino CA, Scaglia F, Jones JY, Niikawa N, Saitoh S
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Journal Title
Am J Med Genet A
Volume: 158A(8)
Pages: 1891-1896
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mutations affecting components of the SWI/SNF complex cause Coffin-Siris syndrome2012
Author(s)
Tsurusaki Y, Okamoto N, Ohashi H, Kosho T, Imai Y, Hibi-Ko Y, Kaname T, Naritomi K, Kawame H, Wakui K, Fukushima Y, Homma T, Kato M, Hiraki Y, Yamagata T, Yano S, Mizuno S, Sakazume S, Ishii T, Nagai T, Shiina M, Ogata K, Ohta T, Niikawa N, Miyatake S, Okada I, Mizuguchi T, Doi H, Saitsu H, Miyake N, Matsumoto N
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Journal Title
Nat Genet
Volume: 44(4)
Pages: 376-378
Peer Reviewed
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[Presentation] ホルモン非抵抗性先端異骨症のエクソーム解析2012
Author(s)
要匡, 柳久美子, 小口良子, 成富研二, 當間隆也, 近藤達郎, 二井英二, 外木秀文, 西村玄, 吉浦孝一郎, 太田亨, 新川詔夫, 松浦信夫, Dong-Kyu Jin
Organizer
第57回日本人類遺伝学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
20120000